ビーブレイクシステムズは3月25日、システム業界における景気動向をまとめたレポートを発表した。同社は自社で手がけたシステム案件などをもとに現場の目線で分析したシステム業界の景気動向を定期的に発信している。
システム業界全体を見ると、需要の縮小傾向が続いているが、最近は4 月スタートの案件も立ち上がってきている。しかし、エンジニアの供給過多の状況が依然として続いているため、案件が多少増加しても、エンジニアの単価は大幅に下落しており、また、必要な技術を細かく指定している案件も多いようだ。単価の下落に関しては、各所で値引き交渉が行われているようで、同社はこの傾向は当分続くものと見ている。
そうしたなか、トップダウンで業務効率化のためのシステム投資に踏み切ることを検討している企業も一部あるという。システム投資を検討している企業のあるシステム担当者は、「不景気の影響で社内のスタッフに余裕があるこの時期こそ業務の効率化を図る好機と考え、トップダウンで新規の業務システムの導入に向けて具体的に検討している」と語っている。この厳しい状況下で、自社の経営地盤を強固にして、今後の成長につなげようと考えられている経営者も多いのではないかと、同社は分析している。
技術者については、エントリレベルのプログラマーの需要が少ないという状況は引き続き変わらないが、それに加えてフリーエンジニアの採用も控える傾向にあるようだ。これは偽装請負問題などコンプライアンス上の観点などによるものだと考えられる。また、比較的単価が高くなりがちな中高年のエンジニアも大変厳しい状況で、対象の年齢も前より下がってきており、以前は40 歳代以上のエンジニアが対象となることが多かったが、最近では30 歳代後半が対象というケースも見られるようだ。