文化庁は24日、私的利用を目的とした録音録画機器に課金する「私的録音録画補償金」をBlu-ray Disc(ブルーレイ・ディスク)にも課金するとした著作権法施行令改正案の取りまとめが遅れ、4月1日の施行が延期される方向であることを明らかにした。

著作権法では1992年から、私的利用を目的とした録音録画の増大に伴う著作権者らの不利益を補償するため、デジタル方式の録音録画について補償金の支払いを義務付けることを目的として「私的録音録画補償金制度」を導入。

だが近年は、iPodなどの携帯音楽プレイヤーやHDDレコーダーなど現行の補償金制度外の機器についても対象に含めるよう求める権利者側と、著作権保護技術の進歩を理由に同制度の縮小を求めるメーカー側の意見が対立してきた。

こうした中、経済産業省と文部科学省は2008年6月、メーカーと権利者の妥協案として、私的録音録画補償金の対象に、Blu-ray Discを加えることで合意

文化庁ではこれを受け2009年2月2日、Blu-ray Discのレコーダーと記録媒体を補償金課金の対象とする、著作権法施行令を改正する政令案を公表。3月4日まで意見募集(パブリックコメント)を行い、2009年4月1日の施行を予定していた。

だが文化庁著作物流通推進室長の川瀬真氏によると、「電子情報技術産業協会(JEITA)から技術仕様などについて詳細に政令に盛り込んでほしいとの要望があるなど、パブリックコメントを反映した上での原案づくりが遅れている」。

このため、内閣法制局による政令案チェックや各省庁への政令案提示、各省庁調整後の閣議決定なども遅れる見込みで、4月1日の政令施行は難しい情勢。文化庁では「施行は4月半ばぐらいになるのではないか」(川瀬室長)としている。