マツダは23日、自動車の廃棄バンパーを新車用バンパーの材料としてリサイクルする新しい工程技術を開発したと発表した。新技術の特長は、メーカーが異なる廃棄バンパーの同時処理の実現、および金属類等の除去を自動化したこと。
廃棄バンパーのリサイクル処理には、効率化の妨げとなる2つの大きな問題点があるという。一つ目は、自動車メーカーや製造年代の違いによりバンパー用ポリプロピレン材の組成や塗膜との密着性が異なり、これらのバンパーが混在すると従来の技術では塗膜を除去できなかった点。二つ目として、破砕する前に目視と手作業による金属などの異物除去の作業が必要な点があげられる。
今回の技術では、前者を破砕した固体状態のバンパー樹脂に強いせん断応力を加えることで解決。材料の組成や塗膜の密着性に左右されない塗膜はく離技術を確立したとしている。後者は除去工程の自動化を試み、振動と送風を利用して破砕後のバンパーから金属を分離する技術を確立することで解決したという。本工程の開発は広島の食品加工機総合メーカー:サタケと共同で行い、穀物用石抜機の技術を応用したとのこと。
本技術でメーカーや回収の経緯を問わずあらゆるバンパーがリサイクル対象となり、破砕から再生材(樹脂ペレット)製造に至るまでの一連の工程の自動化により効率的なリサイクルが可能になるという。同社では運用の時期は未定としているが、今後も開発や検証を進め実用化を目指すとのこと。