KDDIは3月24日、同社が国内に構えるデータセンター「TELEHOUSE」内に構成したクラウドコンピューティング環境に各種ハードウェアと主要アプリケーションを組み込んだIT基盤をネットワーク経由で提供する「KDDI クラウドサーバサービス」を、6月5日より提供開始すると発表した。

同サービスでは、ファイアウォールやロードバランサーといったハードウェアから、OSやWebサーバソフトウェアなどの主要オープンソースソフトウェアまで、システム構築に必要なリソースを、クラウド上の仮想OSと各アプリケーションを組み合わせてカプセル化した仮想アプライアンスに置き換える。

利用者は、ブラウザベースの操作画面上でアイコン化された各仮想アプライアンスの設置や接続を行うだけで、アプリケーションの稼働基盤をオンラインで構成できる。

Webアプリケーションの構築に必要なオープンソースソフトウェア群「LAMP(Linux、Apache、MySQL、PHP)」などによるシステム構成が、テンプレートで提供される。テンプレート内の仮想アプライアンスはカスタマイズしたり、他の仮想アプライアンスと組み合わせて独自のテンプレートを作成することができる。

利用者のプライベートデータセンター上では、同社が用意したアプリケーションに加えて、独自のWebアプリケーションを稼働させることも可能。

提供形態は、エンドユーザー向けの「仮想SYSタイプ」とSIer向けの「仮想DCタイプ」の2種類がある。

仮想SYSタイプは、システムの設計や構築をSIerに依頼する必要があるため、データを複数のサーバに分散して管理することで実現される堅牢性や他のクラウドに対するマイグレーションによるサービスの可用性を重視するユーザーに適している。価格は、初期費用が10万5,000円から、月額費用が16万8,000円からとなっている(いずれも税込)。

仮想DCタイプは、従来のレンタルサーバというサービスの制約を受けずに、専用ポータルからのカスタマイズやリソースを自由に使えることに価値を見出すユーザーに適している。価格は、初期費用が21万円から、月額費用が31万5,000円からとなっている(いずれも税込)。

KDDI クラウドサーバサービスの仕組み