パシフィックビジネスコンサルティングは3月23日、マイクロソフトの中堅・中小企業(SMB)向けERPパッケージの最新版「Microsoft Dynamics NAV 2009 Classic」日本語版、および、同製品のスターターパック「PBC PEFORMANCE PACK 2009」を5月に販売開始すると発表した。
「Microsoft Dynamics NAV 2009 Classic」日本語版は、会計伝票承認機能、連結パッケージ用データ抽出機能、関連会社間取引確認メール送信機能、総平均原価計算対応などが、改良・追加拡張された。同製品は、日本でも2015年から上場企業への適用義務化が見込まれる「国際会計基準」に対応した機能を装備しているのも特徴の1つ。今年はDynamics NAV 2009のSP1が、来年にはDynamics NAV 2010が、マイクロソフトからリリースされる予定だという。
PBC PEFORMANCE PACK 2009は、IT投資を抑えることを目指している企業に向けたERPパッケージ。「Microsoft Dynamics NAV 2009 Classic」日本語版をベースに、財務管理・販売管理・購買管理・在庫管理の4つのコアモジュールを含んだ製品で、同時接続で5ユーザーにて利用可能。操作性が考慮されたシンプルな画面となっている。
システムプロセスフローを設定する画面。「Microsoft Dynamics NAV 2009 Classic」日本語版(左)よりも、「PBC PEFORMANCE PACK 2009」(右)のほうがシンプルだ |
パシフィックビジネスコンサルティングの取締役社長を務める小林敏樹氏は、「Dynamics NAVは拡張性が高いが、日本の商習慣が網羅されていないこともあり、日本ではシェアが低い。そこで、PBC PEFORMANCE PACKはNAVをベースとしつつ、日本の商習慣に対応させることで使いやすさを追求している」と、両製品の特徴について説明した。
小林氏は、さらなるPBC PEFORMANCE PACKのウリとして、「Microsoft Financing」を利用したリース契約が可能な点を挙げた。「不況が続く昨今、どの企業も経費をできるだけ抑えたいはず。Microsoft Financingを利用すれば、一括購入が難しい企業でも予算に合わせた支払いプランを組んで、製品を導入することが可能になる」
マイクロソフトは、ERPパッケージとして、大規模企業向けの「Microsoft Dynamics AX 」と中堅・中小企業向けの「Microsoft Dynamics NAV」の2種類を提供している。前者は同社がローカライズしているが、後者は同社のパートナーであるパシフィックビジネスコンサルティングがローカライズを行っている。
記者発表会に出席したマイクロソフトのDynamics事業統括本部本部長代理を務める中西 智行氏は、「Dynamics事業部を立ち上げて3年になるが、昨年7月から、CRM製品が好評だった。そろそろ第3四半期が終わるが、3期連続で売上目標を達成できる見込みで、額にして昨年比の3倍と、事業自体が好調」と、同社のERP事業が軌道に乗り始めたことをアピールした。
PBC PEFORMANCE PACKのライセンス価格・導入費用を含んだ価格は1,200万円で、さらにサーバ費用を含むと1,500万円となる。