米Cisco Systemsは19日(現地時間)、小型ビデオカメラ「Flip Video」シリーズのメーカーである米Pure Digital Technologiesを買収すると発表した。
今回の買収は、Pure Digital Technologiesの全株式に対して約5億9,000万ドルを株式で支払うほか、人材確保を目的として、残留する従業員に最大1,500万ドルの株式インセンティブを提供することで行われる。買収は、Cisco Systemsの2009年会計年度第4四半期中に完了する予定で、一般会計基準(GAAP)に基づいて計上される。
Pure Digital Technologiesは、米国サンフランシスコに本社を置く株式非公開企業。主力製品のFlip Videoシリーズは、これまでに200万台以上が販売され、動画の整理、YouTubeやMySpaceへのアップロード機能などが利用できる「Flip Share」ソフトウェアが同梱されている。
今回の買収は、メディアイネーブルドホーム(media-enabled home)市場における勢いを拡大し、ビジュアルネットワーキングに移行するコンシューマ市場の変化を捉えることを目指したCisco Systemsの戦略のカギと見なされ、コンシューマ向けの新しいビデオ機能の開発が期待されている。なお、買収が完了した時点でPure Digital Technologiesの従業員は「Linksys by Cisco」ブランドのホームネットワーキング製品やオーディオ、メディアストレージ製品を含む、シスコのコンシューマビジネスグループに統合される。Pure Digital Technologiesの会長兼CEOのジョナサン・カプラン氏は、統合後の組織のジェネラルマネージャに就任し、Cisco Systemsのコーポレートデベロップメント、およびコンシューマグループ担当シニアバイスプレジデントのネッド・フーパー氏の直属となる予定だ。