米ラスベガスでMicrosoftのWebデザイナー/ 開発者向けカンファレンス「MIX09」が始まった。今年のテーマは「Return on Experience」。ユーザーや顧客のエクスペリエンスを優先した上での利益追求である。初日に行われたScott Guthrie氏(デベロッパー部門担当CVP)の基調講演「Advancing User Experiences」では、Silverlight 3、Expression Blend 3プレビュー、Azure Services Platformのアップデートなど数多くの発表が行われた。本稿では、Web、メディア、RIAの3つに分かれていた同講演の「Web」部分をお届けする。
仮想環境いらずのWebぺージ・デバグ「SuperPreview」
講演はフロンエンドから始まり、最初に次期Webデザインツール「Expression Web 3」に含まれる新機能「Expression Web SuperPreview」が紹介された。種類やバージョンの異なるWebブラウザの表示をプレビューするツールだ。Webページのデバグは複数のブラウザや異なるプラットフォームを切り替えながら行う地道な作業だが、SuperPreviewを使えばExpresson Web内からInternet Explorer (IE)、Firefox、Safariなどの表示をプレビューできる。
グループプログラムマネージャーErik Saltwell氏によるデモではExpression Web 3で、SuperPreviewをフル画面表示に切り替えると画面左下にターゲットとする複数のWebブラウザがリストされた。異なるブラウザを横に並べたり、また半透明状態にして重ねる(オーバーレイ・モード)など、様々な方法で表示を比較できる。Safariに切り替えると、PC版のSafariではなく、Mac OS上でのSafariの表示がプレビューされた。デモのケースでは、IE8とFirefoxはPC内のローカルブラウザを利用しているが、Safariはオンラインサービスからレンダリング・データを取得してSuperPreviewで表示しているという。
SuperPreviewには無料のスタンドアローン版もある。すでにベータ版が公開されており、ダウンロードセンターから入手できる。無料版の機能はExpression Web版と同等ではなく、ベータ版でプレビューできるブラウザはIE6/ IE7/ IE8に限られている。最終版もIEのみになりそうだ。