マイクロソフトは19日、次期Webブラウザ「Internet Explorer 8」の正式版を20日から提供開始すると発表した。20日午前1時ごろから、米国のサイトから日本語版のダウンロードが可能になる。

IE8は、マイクロソフトの次期ブラウザとしてベータ版やRC(製品候補)版を一般公開。特にRC版は広く一般ユーザーの利用を求めており、すでに多くの利用者がいるが、今回、正式版が登場することになった。正式版においては、RC版と比べて大きな機能追加や仕様変更はない。

IE8の特徴として、さまざまな機能追加、セキュリティ向上などが図られており、特にアクセラレータ、Webスライス、検索候補といったアドオン機能は、「サイト閲覧を効率化し、インターネット利用のパフォーマンスを向上させる」と米MicrosoftのWindows製品マネージメントグループビジネス戦略担当シニアプロダクトマネージャーであるライアン・サーバティウス氏は言う。

Mozilla FirefoxやGoogle Chrome、Safari、Operaといった主要ブラウザは、JavaScriptの動作速度などでスピードを競っている。マイクロソフトでは、世界でもっともよく利用される25サイトのうち、12サイトでIE8がほかのブラウザよりも早く表示できたとしている。サーバティウス氏は、IE8を含めてどのブラウザも、差は「瞬きするぐらい」であり、大きな速度差はないと話す。

その上でサーバティウス氏は、Webスライスやアクセラレータ、ブラウザのクラッシュ対策などの機能によって、Web閲覧全体としてのパフォーマンスがIE8では向上していると強調する。

こうしたアドオンは、すでに100種類以上が公開されており、国内でもヤフーやぐるなび、カカクコムなど、さまざまなサービスベンダーがアドオンを提供している。

広くアドオンが公開されているIE8

またIE8ではセキュリティも強化。InPrivateモードやフィッシング詐欺、SmartScreenフィルターやXSS(クロスサイトスクリプティング)フィルター、クリックジャッキング対策などを搭載。「ほかのブラウザがやっていない形でユーザーを守っている」(サーバティウス氏)。

Yahoo!検索やYahoo!地図など、多くのIE8向けサービスを提供しているヤフーのマーケティング本部長・友松重之氏は、近日中に、Yahoo!ツールバーなどの同社サービスを組み込んだ「Yahoo! JAPAN向けIE8」もリリースするなど、積極的にIE8に対応していく考えを示している。こうした特定のサービス向けIE8は、ほかにもウェブリオやNTTレゾナント(goo)、カカクコム、ドワンゴ、ニフティも提供していく予定だ。

また、20日にはマイクロソフトのポータルサイトMSNで、MSN向けのIE8が公開される。IE8は20日から米Microsoftのサイトから日本語版も含めてダウンロードできる。23日には日本語のサイトも公開される予定だ。