前回、「Live Mesh」にデバイスを登録してデータを同期させる方法を紹介しました。多くのメディアはLive Meshをデータの同期サービスとして報道していますが、Live Meshにはオンラインストレージを提供するだけの単純なサービスにとどまらない、同期プラットフォームとしての野心的な計画を持ちます。Live Meshを構成するサービスのひとつである『Live Desktop』を見れば、その一面を垣間見ることができます。
Live Desktopは、最初からMeshに登録されている仮想デバイスのようなもので5GBのストレージに、専用のデスクトップ画面を持ちます。現在、Meshに追加されたデータはLive Desktopのストレージに保存され、他のデバイスとの間で同期されます。
Live Desktopのページに移動すると、Windows Vistaのデスクトップのような画面が表示されます。これらは、すべてWeb標準技術で実装されているためFirefoxなどInternet Explorer以外のブラウザでも利用できます。この仮想デスクトップ画面はベータ版なので未実装な機能が多く残りますが、Windowsのデスクトップのユーザー体験を、そのままWebで実現しようとしていることがうかがえます。
新しくフォルダを生成してフォルダを開くと、ファイルエクスプローラのようなウィンドウが表示されます。このウィンドウの上部にある「Upload File」を選択すると、Live Desktopに新しくファイルを追加できます。もちろん、このファイルもMesh上の他のデバイスと同期されます。
さらに、アップロードされたファイル形式がLive Desktopに対応しているメディアファイルの場合、ブラウザ上のMedia Viewerで再生できます。JPEGやPNGなどの画像ファイルはもちろん、MP3やWindows Mediaの再生も可能です。メディアの再生にはSilverlightが用いられているため、Internet Explorer以外のブラウザでもSilverlightに対応していれば再生可能です。
この仮想デスクトップ上で同期されているファイルを操作できるのは面白いですが、本物のデスクトップと比較して絶対に必要な要素が欠けています。そう、現在のLive Desktopにはアプリケーションがありません。
まだ一般公開されていませんが、将来はSDKを用いてLive Meshのアプリケーションが開発できるようになる予定です。そして、Live Mesh上に配置されたアプリケーションは、Meshに登録されているデバイスにも配置されます。現在、Meshアプリケーションの開発は招待制で限定的に公開されている開発者向けのLive Meshで体験できます。画面上部のメニューに「Apps」というメニューが追加されており、ここで使用するアプリケーションを設定できます。
よってLive Meshは、ただデータを同期するだけのオンラインストレージではなく、配置されたアプリケーションも同期可能なサービス型のプラットフォームなのです。データと同様に、一度同期されたアプリケーションはデバイス上にキャッシュされ、オフラインでも利用できるようになるでしょう。データだけではなく、アプリケーションも複数のデバイスで同期できれば、インストールやバージョン管理の負担も大幅に軽くなります。
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