総務省は3月17日、当面3年間に集中的に実施すべき重点施策として「デジタル日本創生プロジェクト(ICT鳩山プラン)‐骨子‐」を公表した。同プロジェクトは、ICTビジョン懇談会の緊急提言を踏まえたもの。
同プロジェクトでは、日本が他国に先駆けて現在の経済危機から脱却すると同時に、中長期に至る民間主導の持続的経済成長を実現するためには、ICT(情報通信技術)関連投資による景気回復という短期的効果に加えて、未来志向型のICT関連投資の加速化・前倒しなどによる中長期的な成長力の向上に積極的に取り組み、我が国経済の底力発揮を図る必要があるとしている。
その目標としてICT産業を新たな成長戦略の柱としICT関連の設備投資を促進することにより、現在100兆円弱のICT関連市場について、今後3年間(累計ベース)で数兆円規模の市場を創出し、30-40万人の雇用創出を実現することを目指す。
また、これらの取り組みを通じて、中期的にも2015年-2020年時点でICT産業の市場規模の倍増(最大約100兆円の新市場創出)を目指すとしている。
具体的な施策は以下の通り。
1. 産業の底力の発揮- デジタル新産業の創出
電波の有効活用による新産業創出、新産業を創出する革新的技術開発の加速化、オープン・イノベーションの創出を柱とする。
2.政府の底力の発揮 - 霞が関クラウドの構築など
革新的電子政府の構築およびナショナル・デジタル・アーカイブの構築を目指す。
3.地域の底力の発揮 - ユビキタスタウン構想の推進
ユビキタスタウン構想の推進、ICT利活用の推進による地域住民の利便性などの向上、ICTによる中小企業の活力発揮、地域からの情報発信の強化、電子自治体の構築を柱とする。
4.先進的デジタルネットワークの構築
デジタル・ディバイドの解消を目指すとともに、地上波テレビ放送のデジタル化を円滑に実施するための施策展開を進める。
5.クリエイティブ産業の育成強化
通信・放送の融合・連携型コンテンツ配信の促進、コンテンツ取引市場の形成、コンテンツの不正流通対策の強化などにより、デジタルコンテンツ市場の大幅な拡大に努める。
6.ICT産業の国際競争力の強化 ― グローバル展開の加速
7.ユビキタス・グリーンICTの開発・展開
8.高度ICT人材などの育成強化
9.ネットワークの安心・安全の実現