EMCジャパンは、次世代データセンターに向けた同社の仮想化コンサルティング・サービスについて、プレス説明会を開催した。

EMCジャパン 執行役員 有安健二氏は

EMCジャパン 執行役員 有安健二氏は冒頭「現在、仮想化は話題になっているが、日本は、検証やテストでの利用、あるいは一部門での導入程度に留まっており、全社レベルの導入にいたっていないなど、実際はそれほど浸透していない。では、どうして広がらないのか、どうすれば広がるのか、それが我々のテーマだ」と述べ、同社が仮想化コンサルティング・サービスの提供を始めた理由を語った。そして同氏は、現在の仮想化の問題点として、仮想化がサーバの統合だけに絞られており、ITコスト全体の70%以上を占める運用・保守の視点が欠けている点を挙げた。

そして有安氏は、次世代のデータセンターでは、サーバだけでなく、ネットワーク、ストレージを含めて仮想化し、システム基盤と提供するサービスを分離。その上で、インフラをプール化し、提供するサービスに必要な分だけを割り当てる仮想データセンターが望ましいと述べた。そして、その上で統一されたリソース管理、セキュリティ管理、データ管理を提供することで、IT資産コストだけでなく、運用管理コストを含めて総合的なコストダウンを図ることができると述べた。

サービスと基盤が分離されたEMCが考えるプロフィットセンターとしての次世代データセンター

このような次世代のデータセンターを企業に提供すべくEMCが行っているのが「EMC仮想化コンサルティング・サービス」。これは、現状分析や目標である到達地点を確認する「仮想化実装計画」、実際の「仮想化環境の構築」、そしてその後の運用をサポートする「仮想化環境の管理」という3つのステップで構成される。これにより子会社であるVMwareの仮想化製品を活用したソリューションを提供していく。

仮想化コンサルティングのフレームワーク

有安氏は他社との差別化について「日本においては、仮想化ソリューションの多くは、サーバベンダーによって提供されている。(サーバベンダーはサーバの削減に対し、消極的にならざるを得ない立場であり、そういう意味で)我々は、サーバベンダーよりは公平な立場で提案できる。次世代のデータセンターの構築には、ネットワークなど我々に足りない部分もあるが、シスコなど他社と協業することによって提供していきたい」と述べた。

コンサルティングの期間は、サーバ50台程度までの場合で、計画、構築それぞれ約3カ月程度を予定しているという。ただ、それ以上の大規模システムを主なターゲットとしていくという。

仮想化コンサルティングの標準期間