Wind RiverとIntelは、協業の一環として、両社の研究開発、販売およびマーケティング、専門サービス、エンジニアリングリソースを連携させ、共同で最適化されたマルチコアソリューションのマーケティングを行っていくと発表した。両社が当面のターゲットとするのは、航空宇宙・防衛、ネットワークインフラ、産業、医療、印刷画像といった組み込み分野となっている。
両社の協業はすでに、IntelのCore 2プロセッサおよびXeonプロセッサをベースにRTOS「VxWorks」のSMP対応範囲の拡大、Wind River WorkbenchおよびOn-Chip Debugging開発環境のCore 2プロセッサおよびAtomプロセッサへの対応などが行われてきた。
今回の協業強化により両社は、主にマルチコアへの移行を可能にする以下の4つの技術の最適化を目指して、マーケティングプランを開発することに注力していくこととなる。
- Embedded Intel Architecture(EIA)をベースにしたWind River VxWorksおよびWind River Linuxの最適化
- Intel Virtualization Technology(VT)のフル活用を含めたIntelプロセッサ向けのWind Riverのハイパーバイザ技術(仮想化技術)の最適化
- マルチコアデバイスの分析およびチューニング用開発ツールの相互運用性の向上
- Intelプロセッサ向けのWind Riverのマルチコア対応ソフトウェアプラットフォームへのIntelのコンパイラおよびIPP(Intel Performance Primitiv)の統合
なお、両社はすでに組み込み市場をターゲットとして連携を強めており、2008年にはIVI(In-Vehicle Infotainment)およびMID(Mobile Internet Device)市場に向けAtomプロセッサ用Linuxベースのプラットフォームの提供に関する協業を発表したほか、2009年3月2日に発表されたGENIVI Allianceの設立メンバーとして参画している。