イージェネラは、パートナーともに、複数の企業が共同でディザスタ・リカバリを利用できることを検証したと発表した。
同社のブレードサーバシステムBladeFrameでは、N+1のディザスタ・リカバリ(災害復旧)機能を標準で搭載している。N+1とは、Nカ所にシステムを持っていても、1カ所のディザスタ・リカバリ環境さえあれば、災害発生時に対応できるというもの。
今回の検証では、サーバを提供するイージェネラと、3PARのストレージシステムを提供する日商エレクトロニクス、システムを所有するパナソニック電工インフォメーションシステムズが共同で行った。
N+1のディザスタ・リカバリは、BladeFrameがもつPAN(プロセス・エリア・ネットワーク)を応用したもの。PANは、CPUとメモリを搭載するブレードサーバ全体を仮想化し、サーバと切り離されたストレージ上に保存された論理的なサーバシステム構成をその都度物理サーバに割り当てることにより、システムの動的再配置を可能にするもの。
今回のn+1ディザスタ・リカバリの検証を踏まえ、今後はパートナーを通じて、ディザスタ・リカバリがより安価なサービスとして提供されることが予想される。
ディザスタ・リカバリは多くの企業がその必要性を認識しているが、いつ利用されるかわからない待機系システムに対する費用負担が問題になっている。今後は、パートナーがデータセンターを構築し、複数の企業が共同で利用するといったサービスが考えられる。
ただ、現在1企業でディザスタ・リカバリ環境を構築した例はあるものの、企業が共同で利用するケースはワールドワイドでも1件もないという。
n+1ディザスタ・リカバリに対しては、インテック、新日鉄ソリューションズ、日商エレクトロニクス、ニッセイ情報テクノロジー、パナソニック電工インフォメーションシステムズの各パートナーが賛同しているが、現在のところ具体的なサービス提供のアナウンスはない。
イージェネラ 代表取締役社長 大木稔氏は「まず、どのようなサービスレベルで提供するかによってサービスメニューを作成し、それを検証していかなければない」と語り、具体的なサービスの内容については言及しなかったが、「今年の夏ごろまでには提供を開始したい」と述べ、具体的なプランが進行中であることをうかがわせた。