米Googleは3月11日 (現地時間)、Interest (関心)ベースの広告のベータテストを、AdSenseパートナーのサイトおよびYouTubeで開始した。Webユーザーが過去にWebサイトを訪問したデータを基に、ユーザーの関心により合致する広告を提供する試みだ。

GoogleはAdSenseパートナーサイトやYouTubeにおいてコンテンツやキーワードから、そのページを訪れているユーザーに関連性があると思われる広告を掲載している。例えば新聞のスポーツぺージにランニングシューズの広告を配信するという具合だ。これにユーザーが過去にWebサイトを訪れてきた情報を絡めて、より関連性の高いパーソナライズ化した広告を提供するのがInterestベースの狙いだ。ユーザーが関心を持っているカテゴリ(スポーツ、ガーデニング、車、ペットなど)を割り出し、テキスト/ディスプレイ広告に反映させる。例えば、大自然に興味を持っている人が、Interestベースの広告を通じてアドベンチャー旅行ツアーの情報を知る機会が増える。広告主にとっては、過去にアドベンチャー旅行サイトを訪れた人をターゲットに、例えばサファリ旅行の割引広告を提示できるなど、広告の効率性を高められる。広告効果が向上すれば、パブリッシャの収入機会が向上する。Googleは、三者のWin-Win効果を強調している。

ユーザーが過去に訪れたサイトのデータを使うとなれば、たとえ個人を特定しにくい仕組みであっても、個人情報保護が大きな課題になる。GoogleのSusan Wojcicki氏は「すでに数多くの企業がInterestベースの広告を提供しており、様々な形で(プライバシー)問題に取り組んでいる」と指摘した上で、Googleの3つの取り組みを挙げた。まず「透明性」。GoogleはAdSenseパートナーのサイトやYouTubeでの広告に同社による提供をラベル表示しており、ラベルをクリックすると読者が広告に関する情報にアクセスできる仕組みも用意している。この情報提供に対応する広告フォーマットと提供パブリッシャを今後拡大していく。2つめは「選択」。Googleによって関心が高いと判断されているカテゴリをユーザーが確認し、またユーザー自身で広告対象カテゴリを追加・削除できるようにAds Preferences Managerを用意した。最後が「コントロール」。Ads Preferences ManagerからInterestベース広告をオプトアウトできるほか、オプトアウトが確実に反映されるようにFirefoxとInternet Explorer用のプラグインを用意している。