文部科学省は11日、無断配信コンテンツのダウンロードを違法とするなどとした著作権法の改正案を同省ホームページ上で公開した。同改正案は10日に閣議決定後、今国会に提出された。違法コンテンツのダウンロード違法化のほか、著作権者不明のテレビ番組利用を希望して文化庁長官に裁定を申請した場合、担保金を供託すればすぐに利用可能などとしている。
同省ホームページで公開された「著作権法の一部を改正する法律案」の「要綱」によると、違法コンテンツのダウンロード違法化については、以下のように定めている。
私的使用の目的で行う複製のうち、著作権を侵害する自動公衆送信を受信して行うデジタル方式の録音または録画を、その事実を知りながら行うものは、複製権が及ぶこととする
また、検索エンジンサービスにおけるサーバへの一時複製(キャッシュ)を認めることについては、以下のように明文化している。
著作物は、電子計算機において著作物を利用する場合には、電子計算機による情報処理の過程において、その情報処理を円滑かつ効率的に行うために必要と認められる限度で、電子計算機の記録媒体に記録することができるようにする
さらに改正案では、過去のテレビ番組の著作権者が所在不明な場合における、番組コンテンツの円滑利用を促進する規定も整備。この規定では、所在不明な著作権者に代わって文化庁長官がコンテンツの利用を許可する「裁定制度」において、担保金を供託した場合は、すぐに利用を許可することができるようにしている。
また、障害者向けの利用円滑化のための規定も明記。視覚障害者向けに著作物の文字を音声にしたり、聴覚障害者向けに著作物の音声を文字にしたりする際は、著作権者の許諾がなくても複製や自動公衆送信ができるようにしている。