ターボリナックスは3月11日、同社のTurbolinux 11 Server、Turbolinux Client 2008のほか、Red Hat Enterprise Linuxにおいて、マイクロソフトのActive Directory(AD)を利用したシンングル・サイン・オン(SSO)を実現する新製品「Linux Connector For Active Directory」を発表した。製品出荷は4月27日を予定している。
ターボリナックスは、2007年10月、米マイクロソフトと相互運用性の向上と知的財産の保証を含む包括的な協業契約を締結し、WindowsとLinuxの両方のシステムに1つの証明書でログインできるシングルサインオン・ソリューションの開発を進めてきた。また、このとき「Workgroup Server Protocol Program (WSPP)評価ライセンス契約」も締結し、マイクロソフトからプロトコルやソースコード、サポートの提供を受け、最終の検証では、東京調布のマイクロソフト・イノベーション・センター(MIC)で、16台のサーバを使った2週間の検証作業を進めてきた(このあたりの詳細は『<緊急対談> マイクロソフト×ターボリナックス - 本日発表のSSOの意味』の記事を参照)。
ターボリナックス 代表取締役社長兼CEO 矢野広一氏は「2007年10月にマイクロソフトさんと協業契約を締結し、WindowsとLinuxの相互運用性を確保する製品の開発を行ってきたが、今回の製品はその集大成となる。設計から約1年、準備を入念に行い、マイクロソフトさんの調布において、サーバ16台による検証も行ってきた。今回の製品は初版ではあるが、完成度は高いという自負はある」と製品に自信を見せた。また、「Windowsはサーバ市場においてマジョリティを持っているが、Webサーバという分野においては、Linuxも一定の市場がある。企業おいては、もはや混在環境は一般的になっており、WindowsとLinuxは競合よりも、有機的な融合が求められている」と、製品投入の背景を語った。
LinuxとWindowsの混在環境では、Sambaが利用されることが多いが、今回の「Linux Connector For Active Directory」では、スクラッチで一から開発された。
この製品では、Turbolinux Client 2008のPCからWindows Server 2008(あるいは2003)のADにログインする、WindowsのクライアントからADを使って、Linuxのサーバにアクセスする、Turbolinux Client 2008のクライアントからADを使って、Linuxのサーバにアクセスするといったことが可能になる。
また、Linux環境での利用が多い、FirefoxやThunderbirdについての情報も、AD上で管理できるという。そのほか、ADの情報をキャッシュしており、ADに接続できない状況が発生しても、ログインが行えるという。
価格は年間使用ライセンスという形態で、5ライセンスまで利用可能な「Linux Connector For Active Directory」が9万8,000円、ライセンス無制限な「Linux Connector For Active Directory Unlimited」は、29万8000円となっている。
ライセンスは、Linux OSを利用しているサーバ、クライアントの数分必要になる。これらは接続するドメイン単位で必要になる。また、Windows Serverにアクセスするためのクライアント アクセス ライセンス(CAL)もADを利用するクライアント/サーバ分必要だ。
対応OSは、Turbolinux 11 Server、Turbolinux Client 2008、Red Hat Enterprise Linuxで、今後CentOSやSUSE Linuxもサポートしていく予定であるという。
対応のADは、Windows Server 2003/2008となっている。