スウェーデンで創業し、現在は米国に本社を置くクリックテックは3月10日、BIツール「QlikView」を日本語化し、日本市場で本格的に販売開始することを発表した。同製品の最小構成価格は250万程度(Windows Small Business Server 、ユーザーライセンス含む)。

クリックテック CEO ラース・ビョーク氏

記者発表会には、クリックテックのCEOであるラース・ビョーク氏が出席して説明を行った。同氏は、大手ベンダーをはじめ、経営悪化に苦しむITベンダーが多い中、同社の2008年度の売上は50%増、顧客数は45%と、同社の経営が順調であることをアピールした。

同氏は同製品について、「操作は簡単だが分析力が不足している表計算ソフトウェア」と「分析力は高いが操作が難しい従来のBIツール」のギャップを埋める製品と説明した。「通常、BIツールにおいて、分析力と操作性はトレードオフの関係にあり、兼ね備えることは難しいが、QlikViewはそれを実現した製品」(ビョーク氏)

クリックテック シニア・バイスプレジデント アンソニー・デイトン氏

製品に関する具体的な説明は、クリックテックのシニア・バイスプレジデントであるアンソニー・デイトン氏からなされた。まず同氏は、同製品が日本では知名度が低いけれど、世界的にはすぐれた製品として広く知られていることを明らかにすべく、調査会社であるガートナーとアバディーンによる調査結果を示した。同製品は、ガートナーが行ったBIツールの調査において、「Webベースのダッシュボード」、「データ分析(スライス・ダース)」「IT部門に頼らずにユーザーが利用できること」という項目において、トップだったという。

同製品の特徴としては、「導入期間の短さ」「導入コストの低さ」「ビジネスユーザーが利用できる操作性」が挙げられた。例えば、米IDCの調査によると、従来のBIツールの平均導入期間が17ヵ月であるのに対し、同製品は数日から数週間で導入できるという

同氏は、このようなメリットを実現できるのは独自技術のおかげだと語った。「従来のBIツールではキューブというデータベースを用いてデータ分析を行うため、専用コンポーネントが必要になる。しかし、QlikViewはインメモリで処理するのでデータベースが不要で、単独でデータ分析が行える」(デイトン氏)

加えて、従来のBIツールのように階層ではなく、「連想」という概念に基づいた独自技術でデータを分析する点も同製品の特徴だ。同技術では、情報を自動的にドキュメントファイルに変換するが、その際、元の情報を欠落させることなく、容量を5分の1から10分の1程度に縮小できる。

このインメモリと連想によるデータ操作技術により、同製品では処理の高速化が実現されている。

国内の販売は、サイロジックが日本の総販売代理店として請け負う。同社は日本での拡販戦略として、以下を展開する。

  • 試用ダウンロード
     開発ツールの15日間の試用
  • 総合検証
     サーバをはじめとするすべてのライセンスを1ヵ月間無料提供  必要に応じてコンサルティングサービスをパートナーと提供
  • 納入後30日間の返金保証

サイロジックの代表取締役兼CEOの垣田正昭氏は、「納入してから30日間の返金保証ができるのは、製品に自信がある証拠」と、同製品のクオリティの高さをアピールした。