ヤフーと楽天は9日、一般用医薬品のネット販売を含む通信販売の継続を求める署名について、累計総数が80万件を突破したと発表した。同署名は、2月17日付けで50万件を突破しており、約半月で30万件ものハイペース。このペースが維持されれば、楽天会長兼社長の三木谷浩史氏らが目指す「3月中に100万件」も達成されそうな勢いとなっている。
2009年6月に施行される予定の厚生労働省の省令では、一般用医薬品のネット・通信販売に関して大幅に規制するようになっている。施行されると、解熱鎮痛剤、風邪薬、胃腸薬、水虫薬、妊娠検査薬、漢方薬などのネット販売ができなくなる。
一方厚労省では、医薬品の販売方法を再度議論するため、「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」を設置。2009年2月24日に初会合が開かれたが、三木谷氏らネット販売の継続を求める構成員の発言の機会は必ずしも十分とはいえないものだった。
これに対し、三木谷氏らは今月4日、医薬品のネット販売を行う事業者やこれを利用する消費者らでフォーラムを開き、安全に医薬品をネット販売するための業界ルール案を公表。一般用医薬品のネット販売を継続するための活動を行っている。
ヤフーと楽天では、こうした活動と並行して、省令の元となった省令案の意見募集が開始された2008年9月以降、省令案・省令に反対し、医薬品のネット販売の継続をWeb上で求める署名活動を展開。2009年2月17日付けで署名が50万件を突破したと発表した。
この時点ですでに、署名は半月で20万人というペースで集まっていた。今回、これを上回る半月で30万件ものハイペースとなり、3月8日までの両社の累計総数(速報値)は、80万件を突破した。
このペースが維持されれば、3月4日のフォーラム終了後に三木谷氏が話した「3月中に100万件」の目標が達成されそうな勢いだ。
12日午前には厚生労働省の検討会の第2回会合が予定されており、議論の行方が注目される。