日本テラデータは、データウェアハウス製品の最新バージョン「Teradata 13.0」と、アプライアンス・サーバの新機種「Teradata エクストリーム・データ・アプライアンス 1550(Teradata1550)」を発表した。
いずれも3月9日より販売が開始され、「Teradata 13.0」は5月25日、「Teradata1550」は3月9日より出荷される。
Teradata 13.0は、Teradataデータベース 13.0とユーティリティ13.0で構成されている。Teradataデータベース 13.0では、「Teradata Virtual Storage(TVS)」、「GeoSpatial(地理空間情報)」のサポートなど、75項目以上の機能追加が行われている。
TVSは、データベースのストレージを仮想化する技術。これにより、サイズやパフォーマンスの異なるディスクの混在が可能となり、さらにそれらを1つの単一ストレージと見なすことが可能になっている。また、ディスクのパフォーマンスを自動的に識別し、よく使われるデータは外側のセクターに配置するなど、データの最適化が行われるようになった。そのほか、パフォーマンスの改善を行い、前バージョンに比べ、最大30%のパフォーマンスの向上があるという。
GeoSpatial機能は、位置や範囲、動線などの地理空間を表すデータ型を新たにサポートし、地図上のデータとして表示することが可能になった。これにより、RFIDを用いて店舗のフロア地図上に商品アイテムをトラッキングしたり、店舗に訪れる顧客の動線を表示するなど、小売業の販売戦略に役立てることができるという。
「Teradata1550」は、大容量データ分析用のアプライアンス製品。ユーザー領域を5テラバイトから、拡張により50ペタバイトまで利用、帯電話の通話記録や、食品のトレーサビリティ、Eコマースの利用者ごとのクリック情報など、大量のデータを対象に、特定のユーザーが分析する用途に適しているという。価格は、最小構成のユーザー領域 50テラバイトで、ハードウェア、ソフトウェア込みで 1億1000万円(税別)からとなっている。
米テラデータ 社長兼CEOのマイケル・コーラー氏は、「日本はワールドワイドで2番目に大きく、全社的な成長にとっては重要な市場だ。テラデータは、これまで順調に売上げを伸ばしており、データウェアハウスの分野では、5、6年前はIBMやオラクルを追従する立場だったが、いまでは追い越し、引き離しつつある。現在のような経済状況においては、会社の意志決定が将来の会社の運命を大きく左右する」と述べ、順調な業績とBIの重要性を訴えた。
日本テラデータは、2007年の9月、日本NCRのテラデータ事業部が分社化する形で誕生した。
代表取締役社長 吉川幸彦氏は「金融では、みずほ銀行やりそな銀行など、4大メガバンクですべて採用、小売業では三越伊勢丹のほか近鉄百貨店、製造業ではトヨタ自動車など、大手企業を中心に採用され、分社化1年目は順調な滑り出し」と総括した。2009年度の強化策として同氏は、製造業、通信業界での更なる市場拡大を目指し人員を拡充するほか、パートナー企業の協業強化、Taradeta製品検証センターの設立などを挙げた。
増員では、業種別ソリューション提供体制を強化するため、営業やコンサルティングの要員を強化。
パートナーとの協業では、SAS Institute Japanとの協業関係を強化し、SASの持つBIツールや業界別アプリケーションをTeradataと連携させ、意志決定支援環境を共同で提案するほか、今後、Teradataデータベースエンジン内で、SASの分析プロセスを直接稼働させる「In-Databese機能」を追加搭載する。
また、野村総合研究所(NRI)との協業では、NRIのテキストマイニングツール「TRUE TELLER」をTeradataデータベース上で稼働させ、販売、開発、支援などに活用することで競争力の強化を図る。
Taradeta製品検証センターでは、アプライアンス製品「Teradata2550」を設置し、ユーザーやパートナー向けに検証環境を提供する。このセンターはリモートからも利用可能で、2009年4月に開設する予定だ。