アースデイ東京2009実行委員会は3日、4月18日より開催される環境フェスティバル「アースデイ東京2009」の記者発表会をタワーレコード渋谷店のイベントスペースにて行った。発表会には実行委員長でもある作家のC.W.ニコル氏や当日参加予定のYae、いとうせいこうが出席し"市民による地球フェスティバル"への想いなどを語った。
2009年のテーマは「Go! Ethical ~世界はみんなで変えられる~」
同フェスティバルは環境関連のイベントとしては日本最大級で、2008年には12万5,000人以上の来場者数を記録している。2009年のテーマは「Go! Ethical ~世界はみんなで変えられる~(ethical=エシカルとは倫理的・道徳的の意味)」、活動コンセプトは「未来をグリーンに変える強烈パンチ」で、376団体が参加を予定。地球を愛する市民の力を結集し、これまで培ってきた知見やメッセージを力強く発信・共有していくことで平和で持続可能な社会を創ることを目指すという。メイン会場は代々木公園で、開催期間は4月18日、19日の2日間。
アースデイはアメリカの大学生の呼びかけで1970年にスタートしたもので、4月22日を「地球のことを考えて行動する日 アースデイ(地球の日)」と位置付けている。この日の前後には、約175の国と地域でフェスティバルが開催され、毎年5億人以上が参加するといわれる。日本でも全国各地でイベントが催されている。
「エネルギー」「食」「農」にスポットを当てる
「エネルギー」への取り組みとして、会場内で使用されるエネルギーをすべて自然エネルギーでまかなうという。会期中開催する「アースデイ・コンサート」では、ステージの音響や照明の発電に回収した使用済み天ぷら油をリサイクルしたバイオディーゼル燃料(BDF)を使用。コンサートでは、Yae、いとうせいこうをはじめ、ズクナシ、曽我部恵一BAND、orange pekoeなどのライブが楽しめる。また、トークショーが行われる「アースデイ・グリーントークステージ」はソーラーパネルを搭載した電源車、「フェアトレードマーケット&ピースマイルステージ」は燃料電池(水素)を搭載した電源車から供給される電力で運用される。さらに、会場への移動にかかるエネルギーにも注目し、出展団体、関係者、来場者が会場へ往復する過程で排出したCO2量をアンケート調査し、約250t(2008年実績243t)を植林によりオフセットするとしている。
「食」については、旬の食材や地産地消にこだわったオーガニックレストランなどが集まる「アースデイキッチン」に24店が出店。会場では、"脱使い捨て食器"を掲げ、洗って使いまわせるリユース食器を使って「ごみゼロ」を目指すという。また、来場者に「マイ食器」の持参を呼びかける。
「農」への取り組みでは、イベント内の食料自給率の向上を目指して「アースデイ東京2008」の終了後から米作りをスタート。千葉の「鴨川自然王国」の棚田を利用して手作りしたお米を提供するという。また「アースデイマーケット」では関東近郊の農家・生産者が集い、採れたての旬の農産物や有機農産物、食材を活用した加工品を販売。ここでは「農家さんと友達になろう!」をテーマに、いまの農業がわかる様々な取り組みを紹介し魅力をアピールするとのこと。
その他、個人やグループ、団体、企業が地球社会へのアプローチを紹介する「アースデイ・NPOビレッジ」、オーガニック&エコロジーをテーマとしたマーケットなど、環境を意識したイベントが代々木公園だけでも50近く催される。また、今回からはオフィシャル駐輪場「Bike To Earth Day!」が設置され、エコな移動手段として再注目されている自転車に乗って参加できることをアピールしている。
アースデイ東京開催に向けて
実行委員長でもある作家のC.W.ニコル氏は、「経済不況とか世界中で暗い話ばかりを聞きますが、土と水と働いている人はみんな元気です」と語り、同氏が購入して再生活動を続けている長野の里山「アファンの森」に多くの山菜が戻ってきたことをあげ「生物が豊かになると、私たちの可能性も豊かになります」と話した。また、フェスティバルの開催に向けて「様々な議論ができ、こういうこともできるのか、こういう人もいるのかと、とても楽しいです。どうぞ来てください」と来場を呼びかけた。
「アースデイ・コンサート」に出演する半農半歌手のYaeは、歌手・加藤登紀子の次女で、2005年から「鴨川自然王国」で農を取り入れたスローライフを送りながら、ライブを中心に全国で活動を行っている。「土は素晴らしいと本能で感じました。食べ物を育むのは土や森です。おいしい=幸せを伝えたいですね」と実体験を通じての「農」の素晴らしさを語り、「誰かのため何かのためではなく、自分が幸せになるためと考えることがアースデイに参加することではないかと思います」と話した。
同じくコンサートに出演する作家・クリエイターのいとうせいこうは、活字、映像、音楽などの幅広い活動に加えて園芸ライフスタイルマガジン「PLANTED」の編集長を務める。「みんなの心と体が揺れるようなライブをしたいです」と抱負を語り、今回のテーマについては「Ethicalとは正しさを求めるということでよいと思います。正しさをみんなが議論する場になれば、アースデイはとても素敵になると思います」とした。
環境にまつわるニュースを目にする機会が増え、環境に対する意識が高まっているとされるが、自分自身が楽しみながら"地球"や"環境"のことを考える良い機会として参加してみるのもよいのではないだろうか。