ラリタン・ジャパンは3月4日、データセンターやサーバルームの消費電力を監視し、電力情報に関するレポート・分析機能を提供するエネルギー統合管理ソリューション「Power IQ」を発表した。同製品の狙いは、電力データを収集・監視することで、データセンターのキャパシティプランニングやエネルギー消費効率の最適化を実現すること。
同製品は、同社のインテリジェントPDU(電源タップ)「Dominion PX」および他社のラックPDUから取得した電流、電圧、消費電力情報などを集計し、また、Dominion PXの環境センサが収集したラックの温度・湿度情報を収集して、レポートとして表示する。具体的には、エネルギー・コスト・CO2・電力消費の傾向に関するレポートを、データセンター全体、コンセント単位、ラック単位、フロア単位で生成できる。対応している他社の主要なPDUは「APC Metered Rack PDU 」「APC Switched Rack-Mount PDU 」「HP PDU」など。
また、PDUの名称、ポーリング状況、設置場所、モデル、ファームウェアなどの情報を1つの画面で管理できるのも同製品の特徴だ。Dominion PXのファームウェアのアップデートと管理も行える。コンセントに対して名称を付けることで、操作ミスが抑えられ、管理者の負荷が低減されるという。
同社のセールス本部 シニア・ヴァイスプレジデントを務める荒野智氏は、「昨今、グリーンITは企業にとって取り組むべき課題の1つとなっているが、その遂行にはモチベーションの維持が大切。電力消費量をきちんと計測できなければ、"どのくらい電力量を減らせばいいのか"、"結果、どのくらいCO2が削減されるか"もわからない。そこで、消費電力量、CO2消費量、コストを明らかにすることで、企業としても取り組みやすくなる」と説明し、これを実現するのが「Power IQ」だとアピールした。
同氏によると、50ユーザーに対してすでに評価用の販売が行われており、2009年度の予算で導入を検討しているユーザーもいるという。
同製品は、ソフトウェア(ヴァーチャルアプライアンス)とハードウェア・アプライアンスの2種類の形態で販売される。ソフトウェアは「VMware ESX」「同 ESX3i」で動作するソフトウェアとして、ハードウェアはラックマウント式の2Uサーバとして提供される。
価格はオープンとなっているが、ソフトウェアモデルの市場想定価格は60万円(50ライセンス)から、ハードウェアモデルの市場想定価格は224万円(100ライセンス)から。日本語版の対応は4月中旬の予定。