ItsNatとは?

ItsNatはJavaServletベースのAjaxフレームワークだ。Ajaxフレームワークにはリモーティングに特化したもの、コンポーネント指向のものなど様々なものがあるが、ItsNatは一言で表現すると「HTMLのDOMスクリプティングをサーバサイドで行うためのフレームワーク」といえる。JavaScriptで行うようなイベントリスナの登録やDOM操作をサーバサイドで行うことができるのだ。また、入力フォームなどはコンポーネントとして扱うことも可能だ。

なお、ItsNatのライセンスはGNU Affero General Public License v3 となっている。これはインターネット上で公開するサービスの開発に使用した場合でも、サービスそのものをオープンソースにしなければならないという制約がある。ソースを公開しない場合は商用ライセンスを購入する必要がある点に注意してほしい。

まずはショーケースを見てみよう

ItsNatのディストリビューションはNetBeans 6.5のWebプロジェクトをアーカイブしたものとなっている。そのため、ItsNatを試すにはNetBeans 6.5を使用するのが手っ取り早い。

まずは、ダウンロードしたItsNatのディストリビューション(本稿執筆時点での最新版はItsNat_0.5.zip)を適当な場所に展開し、NetBeansの「ファイル」メニューから「プロジェクトを開く」で展開先のフォルダを選択してNetBeansプロジェクトとして開く。

ItsNatのプロジェクトはライブラリとしてJDK 1.4、実行環境としてTomcatを参照しており、ソースコードはUTF-8で記述されている。環境によっては初回インポート時にエラーが表示されるため、インポート後、環境に応じてプロジェクトのプロパティーなどで設定を変更して欲しい。

NetBeansのツールバーから実行ボタンをクリックするとアプリケーションサーバが起動し、ブラウザでショーケースが表示されるはずだ。機能別に様々なサンプルを動作させることができるだけでなく、ソースコードもブラウザ上で閲覧できるので、ItsNatでどのようなことができるのかを知るためにも一通り目を通しておくといいだろう。

図1: プロジェクトの実行

図2: ショーケース

図3: 機能別のサンプル