Flock Browser - The Social Web Browser

Mozilla Suite時代、Firefoxの開発につながるひとつの転機があった。それはSafariのレンダリングエンジンにMozilla Suiteではなく、KDEのKHTMLが採用されたことだ。採用の理由はMozilla Suiteは複雑すぎてブラウザ開発に採用するのが難しいというものだった。KHTMLの方が扱いやすく、KHTMLはSafariレンダリングエンジンとして今のWebKitにつながっている。WebKitは今ではGoogle Chromeのベースにもなっており、確実にシェアを伸ばしている。

Appleのこの決定に衝撃を受けたMozilla関係者は、よりシンプルであることが重要だという認識を持つようになり、現在のFirefoxの開発へ進んでいく。Firefoxは大成功を納め、最新版であるFirefox 3はついに市場2位のシェアを獲得した。しかし、Firefoxもまた同じ経験をするのかもしれない。

FirefoxをベースにしたカスタムブラウザとしてFlockが登場した。ソーシャルネットワークとの融合を目指したカスタムブラウザで、全体シェアでは少数ながらも高いユーザ満足度を実現している。公式な発表はまだおこなわれていないが、FlockがベースとなるブラウザをFirefoxからGoogle Chromeに変更するのではないかという話が複数のメディアに掲載されている。FlockのCEO Shawn Hardin氏はMozillaベースの開発は進めているしFlock 2.1はMozillaベースだと明言しているが、ほかのブラウザをベースに移行するかもしれないという点についてはお茶を濁している。

シェアの上ではFirefoxがIEについで強力な立場にあるが、次世代JavaScriptエンジンの実装や話題性などはWebKitを採用したSafariやGoogle Chromeが目立つ状況が続いている。