日本ヒューレット・パッカード 執行役員 パーソナルシステムズ事業統括 クライアントソリューション統括本部 統括本部長 松本光吉氏

日本ヒューレット・パッカードは3月4日、同社が提供するブレードPCの新機種として「HP BladeSystem bc2200 Blade PC」「HP BladeSystem bc2800 Blade PC」の2機種を発表した。同時に既存モデルの平均30%値下げを実施する。同社執行役員 パーソナルシステムズ事業統括 クライアントソリューション統括本部 統括本部長 松本光吉氏は「本来、シンクライアントソリューションは、多少導入コストが高くても運用3年で元が取れる仕組みなのだが、不況の真っ最中の現在では、導入コストが高ければ手が出せないという状態だ。高性能で低価格のブレードPCラインナップを充実させることで、シンクライアント導入の障壁を少しでもなくしたい」と語り、この市場においてのさらなるシェア拡大を狙う。

今回発表されたbc2200およびbc2800は、従来モデル(bc2000、bc2500)より大幅に性能向上を実現しつつ、導入しやすい価格にされている点が特徴。bc2200は、プロセッサにAMD Athron 2200(1.3GHz)、HDDに80GBのシリアルATA(7200rpm)を採用、またbc2800は、プロセッサにAMD Turion 64 X2デュアルコアモバイルテクノロジTL-66(2.3GHz)、HDDにはbc2200と同じものを採用している。なお、3月末より、Citrixが提供する仮想デスクトップソリューション「Xen Desktop 3.0」が両機種にバンドルされる予定。

両機種とも標準搭載OSはWindows Vista Business 32ビット版だが、bc2200のみ、OSの入っていない「FreeDOS」モデルも提供する。Red Hat Enterprise Linux 5.1、Novell SUSE Linux Enterprise Server 10 SP2、CentOS 4/5、Fedora 8/9/10などの各種Linuxの動作が可能。またbc2800に特化した製品として、電源変換効率の高い80PLUS電源を採用したスイッチ内蔵G2エンクロージャも同時に発売される。

既存モデルに比べパフォーマンスが大幅に向上

Linuxを搭載できる"FreeDOS"モデルは3月末から提供

日本HPは今回の新機種発売にあわせ、既存モデルの大幅値下げと、シンクライアント導入の支援サービス開始も発表している。たとえばbc2000は9万4,500円から6万3,000円に、bc2500は11万9,000円から9万4,500円にそれぞれ価格改訂された。松本氏は「シンクライアント導入コストが高いというのはたしかに事実。だが運用3年で元が取れるのも事実だ。キャッシュフローを良くしたいというのが我々の希望であり、そのために導入の障壁を下げるべく、低価格での提供のほか、導入支援のためのコンサルティングやフィナンシャルサービス(旧PCの買取、残価設定リースなど)を積極的に提案していきたい」とする。 価格はbc2200が6万5,100円、10枚パックが61万9,500円、bc2500が9万8,700円、10枚パックが96万6,000円。スイッチ内蔵G2エンクロージャは25万2,000円、従来のエンクロージャからのアップグレードキットは9万8,700円。いずれも3月5日から提供開始。また、bc2200のFreeDOSモデルは、bc2200×20枚、3Uのエンクロージャ(冗長化GBイーサネットスイッチ、冗長化電源)の組み合わせで126万円で3月末から提供される。

なお、今回の新モデルは日本AMDが展開するエコ活動「AMD ecoプロジェクト 2009」にブレードPCとして初めて協賛しており、同製品が1台販売されるごとに、フィリピン・ネグロス島にマングローブが1本植樹される。

HP BladeSystem bc2200 Blade PC

HP BladeSystem bc2800 Blade PC

スイッチ内蔵G2エンクロージャにbc2800が格納されているところ。環境に配慮した80PLUS認証を取得した電源ユニットを採用している