日立製作所、NTTコミュニケーションズ株式会社、美和ロックの3社は3月2日、人体や物の表面に発生する電界を利用した通信技術「RedTacton」による入退室管理システムを共同開発したことを発表した。同システムは、3月3日から東京ビッグサイトで開催される「Security Show 2009」の日立製作所のブースで展示される。

RedTactonは、NTTが開発した電波や光とは異なる電界通信を利用したヒューマンエリア・ネットワーク技術。同技術は一般に「人体通信」と言われているが、体表面だけでなくモノの表面も使うこと、一部において否定的ニュアンスを想起させるケースがあることから、電界通信と呼ぶこととしているという。人の体の一部が「RedTacton」の送受信機に触れることで、伝送路が形成されて通信が始まり、離れることで終了する。

同システムは、RedTactonカードキーを携帯した利用者が、アンテナ内蔵のドアノブを「握る」、アンテナ内蔵の廊下を「歩く」といった移動に伴う基本動作における意識しない接触から、個人の識別・認証処理を実行し、その結果に応じて電気錠の解錠などを行う。また、建物内の主要動線上にアンテナを組み込んだ認証ポイントを配置すれば、利用者が当該エリアに入室するたびにICカードをリーダー部にかざすことなく、入退室管理から在室者管理、行動足跡管理まで入退室一括管理が可能となる。

同システムの提供にあたり、日立は「入退室管理システム全体設計」「管理・制御装置製作」を、NTTコミュニケーションズは「RedTacton適用に伴うシステム設計・施工などのコンサルティングおよびエンジニアリング」「RedTacton」カードキーおよびリーダー製作」を、美和ロックは 「RedTactonに対応した電気錠一体型ドアノブアンテナの設計・製作」を担当する。

「RedTacton」による入退室管理システムの仕組み