Zend Server - An enterprise-ready solution for running business-critical PHP applications |
Zendは先日、PHP実行プラットフォームの最新版となるプロダクト『Zend Server』を発表した。Windows版とLinux版が用意されている。無償のコミュニティエディションにはさらにMac OS X版も追加される。Zendは特にWindows版のZend Serverには絶対の自信をもっている。Zend Serverの詳細を紹介するブログシリーズのひとつInside Zend Server: Windowsの次の言葉にその自信が表れている。
"In short, you will not find another solution with the performance, reliability and native integration to Windows as Zend Server." (手短に言えば、Zend ServerほどWindowsでパフォーマンスを発揮し、信頼性があり、Windowsによく統合されたソリューションはほかにないということだ)
Inside Zend Server: WindowsではWindows版Zend Serverの利点として次の内容が挙げられている。
- Zend CoreおよびZend Platformの組み合わせよりも30%のパフォーマンス向上
- パフォーマンスおよび負荷試験に結果にしたがってパフォーマンス向上のためのWindowsシステム設定を自動的に調整(たとえば負荷状態にあるMySQLではWindowsのMaxUserPortレジストリエントリを向上させる、といった調整)
- Microsft IIS、Apache、Windows XP、Vista、Server 2003、Server 2008など多種多様な動作試験済み
- Microsoft Windowsインストーラ機構に準拠したホットフィックス機能を提供。従来よりもWindows的なやり方で問題修正やセキュリティ対処が可能
- インストール後に自動的にSQL Server for PHPエクステンションが有効になるほかMySQL、Oracle、DB2、SQLiteとの連携に対応
- Windows XP、Vista、Server 2003、Server 2008でFastCGIエクステンションを自動的に有効化
- 定期的に検証ツールでチェックされた優れたMicrosoft Windowsインストーラ(MSI)対応のインストーラを提供
従来よりもWindowsの流儀にしたがったパッケージになっており、さらにパフォーマンスと安定性が向上している。さらに運用の手間がかからずモニタリングにも十分な機能を提供しているというわけだ。
ZendはこれまでWindowsで高性能で安定して動作するPHP実行環境の開発に取り組んできた。2004年には安定したPHP稼働を実現する目的でZend WinEnablerをリリースし、その過程でFastCGIプラグインの開発やバイトコードキャッシュの移植などに取り組んできた。この開発はZend CoreやZend Platformへとつながっていく。
Zend CoreやZend PlatformはWindowsでは従来のプロダクトと比較してかなり優れたものに仕上がったが、ほかのOSと比較するとまだ検討の余地が残る差があった。そして今回のZend Serverだ。ZendがこれまでWindows開発で培ったノウハウが投入された最新版であり、Zend CoreおよびZend Platformの組み合わせよりも性能がいい。WindowsでPHPを使ってWebアプリの開発や運用をしている場合は検討に加える価値のあるプロダクトといえる。