東京ビッグサイトで25日から「FC EXPO 2009 第5回国際水素・燃料電池展」「PV EXPO 2009 第2回国際太陽電池展」などが開催されている。世界最大級の燃料電池に関する展示会FC EXPO 2009では、最新の燃料電池車が展示され、実際に試乗できるクルマも4台用意されている。
FCVと水素インフラの実証試験を行なっている水素・燃料電池実証プロジェクト(JHFCプロジェクト)のブースでは、国内外の自動車メーカーが開発した最新FCVが展示されている。展示車は、ホンダ「FCX CLARITY」、トヨタ「FCHV-adv」(トヨタ)、そしてゼネラル・モーターズ「EQUINOX FUEL CELL」の3台だ。
GMは、2007年度より試乗テストを実施しているEQUINOX FUEL CELLを公開。すでにアメリカでは100台以上のEQUINOX FUEL CELLが走っていて、GMは、2010年までに内燃機関に匹敵する燃料電池技術を確立するとし、EQUINOX FUEL CELLなどのテスト結果をもとに、燃料電池車を2015年までに市販化していくという。
また、燃料電池自動車・水素エンジン自動車の試乗会も屋外スペースで行なわれていて、トヨタ「FCHV」、日産「X-TRAIL FCV」、ホンダ「FCX」、ダイムラー「F-Cell」の4台の燃料電池自動車(高圧水素)に試乗することができる。
また、JHFCプロジェクトのブースでは、今後の水素ステーションの実用化に向けた「70MPa級水素ディスペンサー」も展示されていた。これは給油所・エコステーションのプランニング・設計などを手がけるトキコテクノの研究成果のひとつで、70MPaという高圧水素充填に対応し、15万回充填相当の高い信頼性・安全性を確立した水素ディスペンサーだ。同社担当者は「クリアしなければならない最大の壁はコストダウン」と話す。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、多様な燃料電池利用のバリエーションとして、「DMFCバイク・FC-Dii」を展示。DMFCとは、ダイレクトメタノール燃料電池システムの略で、ヤマハ発動機が受託して試作したこのバイクは、アルコールの一種であるメタノール水溶液(液体)を燃料とする燃料電池バイクで、脱着し充電できるリチウムイオン電池と併用する。市販化されれば原付1種となり普通免許で運転できるという。NEDO担当者は、「ほぼ実用モデルに近い。市販化へ向けて、メタノール水溶液をどう販売するかなどの枠組みをつくっていくことが必要」と話す。
FC EXPO 2009では、これらのほかに、トヨタと日野自動車が開発した燃料電池バスがりんかい線国際展示場駅と東京ビッグサイトの間をシャトル運行しているほか、ガソリン1L相当の水素で5385km走破しギネスブックにも記録されたスイスのPAC-Car2の展示など、さまざまな燃料電池関連の乗り物に、見て触れることができる。