シトリックス・システムズ・ジャパンは(以下シトリックス)は、2月24日、デスクトップ仮想化ソリューションの最新版「Citrix XenDesktop 3」を本日より出荷すると発表した。
XenDesktop 3の新機能は、デスクトップストリーミング、ポータブルプロファイル、USBデバイスのサポート、スマートカードでのログインサポート、HDX(High-Definition user eXperience)技術の追加などだ。
デスクトップストリーミングでは、これまではOS、アプリケーション、ユーザー設定を呼び出し、サーバ上でデスクトップ環境を構築し、その画面イメージを各ユーザーにICAプロトコルによって配信するというスタイルだったが、XenDesktop 3ではこれに加え、OS、アプリケーション、ユーザー設定をユーザー端末に直接配信することもできる。これによって、ローカルPCのCPUパワーを活用したアプリケーションの利用が可能になる。デスクトップストリーミングは、ローカルPC起動時にネットワークブートするイメージで実現されるという。
ポータブルプロファイルは、どこからログインしても、Webブラウザのブックマークやドライブのマッピング情報などのプロファイル情報が再現される機能だ。プロファイル情報はサーバ上に格納され、ログイン時にその端末に配信されるという。
USBデバイスのサポートでは、カードリーダー、PDA、iPod/MPプレーヤー、プリンタ/スキャナなどがサポートされる。これにより、仮想デスクトップ上で、GoogleカレンダーのスケジュールとiPodのスケジュールの同期も可能になるという。
HDXは、マルチメディア、音声、ビデオ、3次元画像をサポートする機能で、サーバ、ネットワーク、ローカルPCの状態を判断し、3Dのレンダリングをサーバ側で行ったり、ローカルPC側で行ったりを、ユーザーが意識することなく最適化する「HDX MediaStream」、リアルタイムコミュニケーションを最適化する「HDX RealTime」、グラフィック表示性能を最適化する「HDX 3D」、MP3プレーヤー、デジタルカメラ、スマートフォン、スキャナやローカルの周辺機器を透過的にサポートする「HDX Plug-and-Play」、ネットワークの接続を保証する「HDX Broadcast」、ローカル再生に対するマルチメディア性能を加速させる「HDX IntelliCache」で構成される。
そして、このうちHDX MediaStream、HDX RealTime、HDX 3D、HDX Plug-and-Playが、XenDesktop 3でサポートされる。
価格は、XenDesktop 3の最小構成価格(5同時接続デスクトップ分のライセンスおよび1年間のSubscription Advantageを含む、消費税抜き)の場合で、Enterprise Editionが27万6,250円、Advanced Editionが18万2,750円、Standard Editionが7万,550円となっている。
仮想化組込PCを2009年後半、米国で発売
また、本日の記者発表では米インテルとの協業によるベアメタル(OSやソフトが何もインストールされていない)PCを、2009年後半に米国で発売することも明らかにした。
これは、インテル バーチャライゼーション・テクノロジーとインテル vProテクノロジー向けに最適化された、Xenベースの「ベアメタル」デスクトップハイパーバイザーがあらかじめ組み込んだ状態で、PCメーカーより提供される。
このPCでは、個人用デスクトップと仕事用のデスクトップが1クリックで切り替えることが可能だという。