2足歩行ロボットによるサッカー競技「KONDO CUP」の第14回大会が開催された。KONDO CUPは、ロボット3体が1チームとなり、得点を競うゲームだ。初日の2月14日(土)には自作ロボットによる「オープンクラス」、2日目の同15日(日)にはキットベース限定の「KHRクラス」が開催され、それぞれ優勝が争われた。

KONDO CUPは3体1チームで試合が行われる

昨今、ホビーユーザー向けのロボットサッカー大会は各地で開催されるようになってきたが、「KONDO CUP」はその草分け的存在。初開催は2006年11月で、それ以来、ほぼ隔月ペースで開催されているという頻度の高さもこの大会の特徴である。

今回のオープンクラスは、タミヤプラモデルファクトリー新橋店(東京都港区)を会場として開催。全8チームが参加し、4チームずつの予選リーグで1位になったチーム同士による決勝戦が行われた。結果は、過去13回の大会で8回優勝しているチーム「トリニティ」が、初めて決勝に進出したチーム「SKY」を降し、2回目の4連覇を果たした。

タミヤ プラモデルファクトリー 新橋店

優勝したチーム「トリニティ」

予選Aリーグの結果。強豪が集まった

予選Bリーグ。こちらの力は拮抗していた

決勝戦の模様は動画で掲載する。機体に青いリボンを付けているのがトリニティ、赤いリボンがSKYである。

動画
決勝戦の前半(wmv形式 12.8MB 5分26秒)
決勝戦の後半(wmv形式 11.9MB 5分3秒)

今大会で著しく力を付けてきたのが準優勝のSKYだ。スピード・パワー・経験ともにトリニティの方が上ではあるが、SKYチームの機体は見ていて安定感があり、完成度も高かった。決勝戦の後半、見え見えのセットプレーに引っかかってしまうあたりはまだ経験不足であるが、戦い方をもっと身につけていけばさらに強くなるだろう。

ちなみに、SKYのメンバーは1年くらい前からロボットを始めたばかりの初心者だという。初心者同士で組んだチームが、秋葉原のROBOSPOTなどで練習を重ね、KONDO CUPの決勝戦に出場するまでになった。これから始めようという人には参考になるだろう。

競技の間には、近藤科学の新型マイコンボード「KCB-2」を使用した自律競技のデモンストレーションも行われた。KCB-2は、C言語でのプログラム開発が可能なモータードライバ付きマイコンボード。各種センサと組み合わせることで、車輪移動型の自律ロボットなどを簡単に作ることができる。

右がマイコンボードの新製品「KCB-2」

デモ競技のルール。フラッグに先に触った方が勝ち

動画
デモとは言え真剣勝負。向こうが開発者である近藤氏、手前がROBOSPOTの引間店長(wmv形式 384KB 9秒)
負けた引間店長の"泣き"で急遽3本勝負に。応じた近藤氏だったが、結果は……(wmv形式 2.0MB 51秒)

引間店長のロボット。タミヤのボクシングファイターを改造した

近藤氏のロボット。タミヤのパーツを使って自作したそうだ

同社は、マイコンボードの上位機種「KCB-1」を搭載した2足歩行ロボットによる自律競技「ビーチフラッグ」をすでに開催しており、新競技はこの"車輪ロボット版"と言えそうだ。ルールは未定だが、同社は正式競技として発足させたい考え。

近藤科学のロボット組み立てキット「KHR」シリーズによるKHRクラスは、秋葉原のROBOSPOTにて開催。7チームにより争われ、「チーム Kometa」が優勝した。

次回のKONDO CUPは、4月に開催される予定。