大学を中心とした半導体研究コンソーシアムである米Semiconductor Research(SRC)と欧州の独立系ナノエレクトロニクス研究センターであるベルギーIMECは2月17日、微細な半導体製造用の新しいプロセスと材料の開発を目指した国際的な協力を行うことを目的とした覚書を締結したことを発表した。

この締結により、両コンソーシアムの知識が、日本を含むアジアおよび世界のエレクトロニクス産業が使用する半導体チップに対する環境に優しい製造方法の発見に向けられることとなる。

研究はIMECおよび、環境・安全・健康(ESH)関連の戦略的な研究課題の取り組みで認められ、確立した情報源であるSRCならびにSEMATECH(Semiconductor Manufacturing Technology)合同の「CEBSM(Center for Environmentally Benign Semiconductor Manufacturing)」との間で行われる。

この協力作業の目的は2つあり、1つは環境を守る先端技術の開発であり、もう1つはチップ製造コストの低減を目指した効果的なプロセスの開発としている。

SRC、IMEC、CEBSMの3者は、共同イニシアティブの最初のフェーズを2つの分野に重点を置いて開始するとしている。第1の分野は、新材料の持続可能な洗浄と表面処理、およびナノ構造としている。この研究には、成膜用のプリカーサとなるGeとIII-V族のようなチャネル材料とゲート材料のタイムリーな統合、エッチング化学物質、洗浄剤などが含まれている。この研究では、半導体の加工時における化学物質、水およびエネルギーの使用量を減らし、排出を最低限にするための選択肢を用意するほか、ナノ構造の洗浄工程の効果をモニタすることを目的に新たにインラインでリアルタイムのアプローチの探求が行われる。

第2の分野は、合同研究プロジェクトで、持続可能な高性能材料の平坦化プロセスの探求を目指すという。この研究により、製造廃棄物の流れでナノ粒子の放出や排出を排除するプロセス選択肢の設計と実現可能性を推進するという。

なお、同研究開発の詳細については、2009年2月19日~20日に米アリゾナ大学にて開催されるCEBSMの年次総会にて発表される予定としている。