NECエレクトロニクスは2月17日、イーサネット機能を内蔵した32ビットのフラッシュメモリ内蔵マイコン(オールフラッシュマイコン)9品種を製品化し、4月よりサンプル出荷を開始することを発表した。9品種の内訳は、外部接続端子数が128本の「V850ES/JH3-E」6品種、144本の「V850ES/JJ3-E」3品種となる。
近年、需要が高まっているイーサネット機能を搭載した電気・電子製品を容易かつ低コストで作るために、イーサネットコントローラと大容量の外部メモリを搭載したマイコンが求められている。こうしたニーズにこたえるべく、製品化されたのが同製品である。
同製品は10/100Base-Tのイーサネットコントローラを1チャネル内蔵しているため、従来は外付けされていたイーサネットコントローラが不要となり、製品コストの削減に貢献する。また、最大512KBのフラッシュメモリと最大124KBのRAMを内蔵しており、また、CPU性能が50MHz@103MIPS(ドライストーンVer1.1)であることから、内蔵メモリだけでネットワークソフトウェア、システム制御プログラムを動かすことが可能であり、容易なネットワーク構築を実現する。
加えて、USB 2.0フルスピード対応のファンクション・コントローラ、CANインタフェース(2品種のみ)、モータ制御タイマ、リアルタイムカウンタといった周辺機能を多数内蔵している。これにより、USBやCANといった複数の通信規格に対応可能であるとともに、従来は外付けされていた部品点数を削減できるため、生産コストの削減を可能にする。
同製品のサンプル価格はメモリ容量やパッケージの種類、端子数などによって異なる。例えば、512KBのフラッシュメモリ、124KBのRAMを144ピンのパッケージに搭載した「V850ES/JJ3-E」は1,200円/個となっている。2009年12月から順次量産が開始され、2011年には9品種合計で月産100万個が計画されている。