NTTと電通は、2月16日から3月15日まで、東急電鉄の東横線や田園都市線などを使って、1日約350万人が視聴可能なデジタルサイネージ(電子看板)のフィールド実験を行うと発表した。

NTTは、すでに昨年の11月からNTTコミュニケーションズとともに、異なるメーカーのサイネージ配信システムに対して、統一的なインタフェースとメタデータコンテンツをスケジューリングして一括配信する「メタデータ配信管理統合化技術」の実験を、京浜急行3駅(品川駅、横浜駅、羽田空港駅)と丸の内ビルディングで行っているが、サイネージがメディアとして確立するためには、サイネージならではの効果的な配信手法やクリエーティブ手法、効果測定手法など、解決していくべき課題も多いという。

NTTが昨年の11月から行っているサイネージ実験で使用されているディスプレイの外観

実験では、駅から駅、沿線から利用施設への動線など、視聴者の行動を考慮して鉄道や商業施設に設置されているサイネージをネットワークし、配信する時間帯やクリエーティブタイプと視聴者の認知度との相関等を検証する。

フィールド実験を行うのは、東横線、田園都市線、大井町線、目黒線の電車内、東急線の自由が丘駅や多摩川駅、西武鉄道の池袋駅、京浜急行の品川駅や横浜駅などの駅のほか、赤坂サカスや六本木ヒルズなどの商業施設。

NTTは、実験環境の構築(ロケオーナー)、配信システムの設置、プラットフォームの基盤となる技術の研究開発、配信または各実験場所への配信依頼等を行い、一方電通は、実験環境の構築(広告主・ロケオーナー)、広告クリエーティブ制作・編成、実証実験調査設計、各実験場所への配信依頼等を担当する。

そして両社は、この実験を通じてデジタルサイネージのメディア化に必要な要件を明確にし、今後デジタルサイネージを広告メディアとして取引するプラットフォームの共同事業化に向けた検討を行っていくという。