富士通の半導体子会社である富士通マイクロエレクトロニクス(FML)は2月16日、モバイルPC向けモバイルWiMAXベースバンドLSI「MB86K23」を開発、2009年4月より全世界を対象にサンプル出荷を開始することを発表した。価格は2,000円で、2011年度末までに25億円の売り上げを見込む。

モバイルPC向けモバイルWiMAXベースバンドLSI「MB86K23」のチップ写真(チップサイズは10mm×10mm)

同製品は、同社のWiMAX USBアダプタやWiMAX PCカードなどのPC周辺機器向けモバイルWiMAXベースバンドLSI「MB86K21」の後継品となり、MB86K21と比べて約60%のスペース削減を実現している。また、RF LSI「MB86K52」および電源LSI「MB39C316」と組み合わせたチップセットを搭載することにより、20mm×40mmのWiMAX USBアダプタを実現可能なほか、WiMAXと無線LANの両機能を搭載したPCI Express Half-Mini Card(30mm×26.8mm)も実現可能となる。

プロセスは65nm世代のCMOSプロセスを採用、動作時の消費電力をMB86K21比で36%削減している。また、富士通研究所との共同開発による、使用していない回路ブロックの電力を遮断するパワーゲーティング技術「CoolAdjust-PG」を導入することで、WiMAXモジュール全体でのスタンバイ電流を0.5mAに抑えることが可能となっている。

なお、同社では、同製品を第2.5世代LSIとして位置づけており、将来的には小型携帯機器に向け、第3世代のLSIを提供することを計画している。

FMLのモバイルWiMAXベースバンドLSIロードマップ