健康食品や医薬品などのネット販売サイト「ケンコーコム」を運営するケンコーコムは12日、6日に厚生労働省が公布した医薬品のネット販売を規制する省令に関し、省令案のパブリックコメントに寄せられた意見の97%が反対意見だったと発表した。同社では、「反対する意見を一切反映することなく、ほぼ同一内容の省令を公布した」と批判している。
厚生労働省は2008年9月17日、薬事法施行規則などの一部を改正する省令案を公表。同省令案では、改正薬事法でリスク区分に応じて分類された医薬品の「第1類」「第2類」「第3類」の3種類のうち、第一類と第二類の医薬品について、医薬品に関する情報を直接提供できる対面販売を原則化。
これができないネットショップなどについては「第三類医薬品以外の医薬品を販売し、又は授与しないこと」と明記した。
厚労省では同日から2008年10月16日まで、省令案に関するパブリックコメントを募集。その後2009年2月6日、省令案をほぼ踏襲した省令を公布した。
ケンコーコムでは今回、パブリックコメントについて、厚労省によって「賛成」または「反対」として分類された、ネット・通信販売の規制に関する意見2,353件について、その内訳を同省に問い合わせた。
その結果、「賛成意見は50件、反対意見は2,303件、その他意見が23件だった」(ケンコーコム)。
同社では、「これは厚生労働省が、国民から寄せられた意見のうち97%におよぶ反対意見を一切反映することなく、省令案とほぼ同一内容の省令を公布したことを示している」と指摘。
「強硬に規制を盛り込んだ省令が公布されたことついて、大変遺憾に思う」(同社)としている。
一方厚労省では、省令を公布した2月6日、舛添要一厚労相の指示により、医薬品の販売方法を再度議論するための検討会を設置。
ケンコーコムでは、「省令では一切省みられることの無かった97%におよぶ国民からの規制に反対する意見を各委員が重く受け止め、その意見を充分に反映させた、真に国民的な議論がなされることを強く望む」と話している。