Micron Technologyは、携帯電話向けに16GBのマルチ・レベル・セル(MLC)NANDソリューションを含むNANDベースのAll-in-One型マルチ・チップ・パッケージ(MCP)のサンプル出荷を開始したことを発表した。また、併せて、携帯電話の設計者向けソフトウェアソリューション「NANDcode」を発表した。
MCPは、最大32Gビットの容量を実現するために34nmプロセスを採用している。最大8個のダイを積層可能であり、1チップで16GBを実現することが可能だ。
同ソリューションには、「4個の32Gビット 34nmプロセス採用MLC NANDダイとe-MMCメモリコントローラ」「2GビットのモバイルローパワーDDRメモリ」「2Gビットのシングル・レベル・セル(SLC)NAND」の3つのコンポーネントが含まれている。これにより、同社では、基板面積を従来比で40%節約することが可能になるという。
なお、すでに16GBベースのMCPのサンプル出荷を開始しており、2009年第1四半期中に生産準備を整える計画。また、4/8GBのMCPソリューションもサンプル出荷を開始しており、量産準備を進めている段階にあるとしている。
一方、NANDcodeは、「Windows Mobile 6」「Linux」および「Symbian」などの主要携帯機器向けOSをサポートし、同社のONFI標準SLC NAND技術の特長を引き出すように最適化されている。
Flash Translation Layer(FTL)およびフラッシュドライバを含んでおり、FTLは高度なウェアレべリング技術を持っており、NAND内のデータに均等に割り当てることにより、NANDの寿命を拡大することが可能。
また、フラッシュドライバおよびデバイスプロセッサの連携により、データキャッシュ機能やデュアルプレーン機能を使用することで高い性能を実現できる。
さらに、NANDcodeには、フラッシュメモリ内の重要な情報へのアクセスを制限する独自のセキュリティ機能も搭載している。
なお、同社では同ソフトに対するエンジニアリングサービスの情報を同社のWebサイトにて掲載している。同サイトでは、NANDcodeのほか、テクニカルノートおよびシステム互換性レポートなどが掲載されており、携帯電話開発者が同社のフラッシュメモリや各種のチップセットプラットフォームを用いて統合プロセスを最適化できるようになっている。