計測機器の大手ベンダAgilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは、高速シリアルバスのジッタ耐力試験を実施できるビット誤り率測定器(BERT:bit error ratio tester)「N4903B」を3月3日に発売すると発表した。
ビット誤り率測定器(BERT)は、有線通信や無線通信、放送などのレシーバ機器に接続し、受信したビット列に含まれる誤りの比率を測定する装置である。N4903Bは、データ転送速度が最大で12.5Gビット/秒と高速のシリアルバス用レシーバ機器をテストする目的で開発された。
特長は、最近の伝送方式であるクロック・フォワーディング(データとは別にクロックを出力する方式)に対応したこと。具体的には、データ転送速度の半分の速度(周波数)のクロックをレシーバに出力する。QuickPath Interconnect(QPI)、HyperTransport 3(HT 3)、Fully-Bufferd DIMM 2(FB-DIMM 2)といったシリアルバスに対応した。クロックのデューティ比はもちろん可変である。クロック出力とデータ出力の両方に、ジッタを印加できる。
またPCI Express Gen2対応レシーバのジッタ耐力測定機能を強化した。LF-ランダムジッタやHF-ランダムジッタ、デュアルトーン周期ジッタ、スペクトラム拡散クロック(SSC)などを出力できる。
このほかUSB 3.0、DisplayPort、SATA 6Gなどのビット誤り率測定にも対応する。
N4903Bの外形寸法は幅424.5mm×高さ221.5mm×奥行き588.0mm。本体重量は26kg。価格は7Gビット/秒のデータ転送速度に対応したモデルが1,500万円から、12Gビット/秒のデータ転送速度に対応したモデルが2,000万円から。