Ruby on Rails

Ruby on Rails 2.3のリリースへ向けて準備が進められているわけだが、開発自体はすでにRails 3.0へ向けて動きはじめている。Riding Rails - This Week in Rails 3.0においてRails 3.0で取り組む計画になっている内容がまとめられている。Rails 3.0は最新の実装を投入した先端モデルになる予定だ。2系がすでに実用的なリリースを行っているのと比較して、当面の3.0はかなり実験色の強いものになる。

This Week in Rails 3.0で紹介されている内容を要約すると次のとおり。

  • Merbを統合。Railsコアをよりモジュール化し、フルスタックRailsではなく必要なモジュールの組み合わせで動作するように変更
  • パフォーマンスの最適化
  • 複雑化したAction Viewのリファクタリング
  • 新しいコールバック処理の実現による実行速度の向上
  • 新しいコンポーネントAction Dispatchの導入

Rails 3.0の開発コードは「git clone git://github.com/rails/rails.git」「git checkout 3-0-unstable」のようにしてGitHubからダウンロードしてチェックできる。ブランチ名にunstableという名称が含まれているように、当面は実験色が強いものとなる。Railsを本番環境で使うなら当面は2.x系の最新版を使うことになる。

Rails 3.0はRails 1.xやRails 2.xからの移行パスを用意しつつも、最新の技術を投入したメジャーアップグレードバージョンになることを目指しており、大幅な開発が取り組まれる予定になっているという。当面の目的は2009年5月のRailsConfに合わせてベータバージョンをリリースすることにあると説明されている。

実行速度がドラスティックに高速化されたRuby 1.9は先日リリースされたRuby 1.9.1で安定版となった。今後はRuby 1.9系が主要ブランチだ。実行速度の高速化が見込まれるRails 3.0と安定版になったRuby 1.9系は、2009年後期から高速化されたRailsプラットフォームとして注目されることになりそうだ。