厚生労働省は6日、ネット販売を含む医薬品の通信販売を規制するとした省令を公布した。省令が施行されると、解熱鎮痛剤、風邪薬、胃腸薬、水虫薬、妊娠検査薬、漢方薬などのネット販売ができなくなる。一方厚労省では同日、舛添要一厚労相の指示により、医薬品の販売方法を再度議論するための検討会を設置。この問題を巡る議論はまだまだ続きそうだ。

今回公布された省令は、2009年6月1日に施行予定。同日に施行が予定されている改正薬事法で定める「第1類」「第2類」「第3類」の医薬品に関し、「第1類」「第2類」の医薬品のネット販売を規制する内容となっている。今年6月1日からは、解熱鎮痛剤、風邪薬、胃腸薬、水虫薬、妊娠検査薬、漢方薬などのネット販売・通信販売ができなくなる。

ヤフーと楽天では、省令案の意見募集が開始された2008年9月以降これに反対し、医薬品のネット販売の継続をWeb上で求める署名活動を展開

また、業界団体である日本オンラインドラッグ協会も、ネットでの安全な医薬品販売を可能にするための「自主ガイドライン」を作成するなどの活動を行ってきた

ヤフーと楽天、日本オンラインドラッグ協会などは6日、省令が公布されたことに対し、共同声明を発表。

声明文では、「一般用医薬品の通信販売は、国民の健康維持のために生活に深く根ざした必要不可欠な手段となっている」と指摘。その上で、「通信販売が2009年6月以降も継続可能となるよう省令を再改正すべき」などと求めている。

一方、厚生労働省では6日、舛添要一厚生労働大臣の指示により、「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」を大臣直属の機関として設置。同省広報室によると、舛添大臣は閣議後の記者会見で、「薬局・店舗などで医薬品の購入が困難な方々への対応・方策やインターネットなどを使った販売の在り方について幅広く議論をしていただきたい」と話したといい、再度の議論を求める要望に応えた形となっている。

ヤフーなどの声明文ではこれに関し、「規制の根拠を対面か対面ではないかといった形式的な基準に求めるのではなく、科学的・合理的な根拠を裏づけとして、通信販売その他の販売方法を問わず、全ての販売経路で実質的に安全な販売体制を確立するという視点に立った検討が行われるべき」と強調。今後もこの問題を巡り、激しい議論が行われることが予想される。