NECエレクトロニクスは2月5日、携帯電話端末向けシステムLSI「CE143」を製品化、3月よりサンプル出荷を開始すると発表した。サンプル価格は4,000円(技術サポート料を除く)で、量産は9月より月産100万個規模で開始する。
同製品は、手ぶれ防止やシェーディング補正などの高画質化を実現する回路の最適化を行ったほか、フルHD画像データの表示を可能にするインタフェース回路を内蔵しており、1200万画素の写真撮影やフルHD対応の動画撮影が可能となっている。また、顔検出機能を実現する回路を搭載しており、顔の検出時間を同社従来製品比で1/25に短縮している。
さらに、デジタルズーム時の画像のぼやけや劣化を軽減する同社独自の1枚超解像技術をIPコアとして搭載。これにより、光学ズームを搭載していない端末でもデジタルズームを用いて写真を鮮明に撮影することが可能となる。
このほか、ノイズリダクション回路を最適化。従来品比でS/N比を6dB以上改善したことにより、ノイズ低減が可能となり、製品開発期間の短縮が可能となった。
画像チューニングなどのノウハウが必要な技術支援については、ソフトウェアパートナーと連携しており、カスタマはLSIだけでなく、システム構築支援を含めたトータルソリューションの提供を受けることも可能なほか、従来シリーズで用いられてきたアプリケーションの流用が可能。これにより、新製品に対するアプリケーションソフトの開発負担を軽減することが可能になるという。
なお、同社では、今後も同CEシリーズのラインナップの強化を図り、500万画素から1200万画素までのハイエンド携帯電話向けカメラ用システムLSIの市場で30%のシェア獲得を目指していくとしている。