キヤノンソフトは2月5日、日本IBMの協力のもと、SOA(サービス指向アーキテクチャ)を活用したSI(システムインテグレーション)事業を強化すると発表した。SOAサービスを提供すると共に、同社本社にIBMの協力を受け「SOA実証センター」を3月に開設する。
SOAサービスでは、顧客のシステム環境やビジネスのニーズに応じて、以下の6種類のサービスを提供し、短期導入と技術移転を行う。開発・実行の基盤には、IBMの基盤ソフト「WebSphere」を用いる。
BPM(ビジネスプロセスマネジメント)
システム化により、ビジネスの効率向上やボトルネックの発見などの効果を期待できるビジネスプロセスをSOA基盤により構築、マネジメントし、ビジネスプロセスの改善を支援する。
BAM(ビジネスアクティビティモニタリング)
ビジネスプロセスに重要業務評価指標(KPI)を設定し、リアルタイムの監視・測定を通じて、ビジネスプロセスのボトルネック発見を支援する。
UI(ユーザーインタフェース)構築
キヤノンソフトのSOA対応Webアプリケーション構築ツール「Web Performer」やマッシュアップ技術を利用し、BPMなどに対応する業務画面構築を支援する。
連携基盤構築
ITシステムの開発効率の向上が可能な、SOAアプリケーション開発基盤やシステム連携基盤(ESB基盤)などのIT基盤の構築を支援する。
SOAガバナンス
SOAを社内に広範に展開するために必要なガバナンス策定を支援する。
運用保守
ビジネスユーザーの視点に立ったSOA基盤の維持運用体制の構築を支援する。
このうちBPM、BAM、UI構築、連携基盤構築サービスのサービスでは、短期間で効果を体感できる「ショートコース」を用意する。
SOA実証センターは、ユーザー企業におけるSOA導入の阻害要因を取り除くことを目的にSOAを検討している顧客の課題をヒアリングし、技術的に問題が無いことを実証するためのデモを提供する。 キヤノンソフトは実証センターの運営とSOAサービスの開発/提供を、IBMはSOA基盤ソフトウェアの提供とSOAサービスの開発支援をそれぞれ行う。両社合わせて15名で開始し、以後は販路拡大に応じて強化していく予定だ。
キヤノンソフトはIBMとの協業を通じて大手企業を中心にSOAソリューションを展開し、2010年度に売上10億円を目指す。