フリービットは4日、新製品の発表などを行う事業戦略説明会を開いた。同説明会では、iPhoneをサーバ化するためのアプリケーション「ServersMan@iPhone」をApp Storeで提供開始したことや、2009年5月1日付で、『はじめての課長の教科書』などの著書がある酒井穣氏が人事戦略ジェネラルマネージャーに就任することなどが発表された。
「ServersMan@iPhone」は、「わずか5分の作業で"パーソナルデータセンター"(自分だけのデータセンター)を構築することが出来る世界初のプロダクト」(フリービット)。
ServersManのソフトウエアをインストールすれば、iPhone/iPod touchをネットワークストレージやWebサーバとして利用することが可能になる。
ネットワークストレージとしては、小規模グループのファイルサーバや個人のUSBメモリの代わりとして、ケーブルなしでWebブラウザやWebDAVクライアントからiPhone/iPod touchにファイルを転送できる。File Viewer機能もあるため、保存した各種ファイルをiPhone上で表示することが可能。
Wi-Fi/3Gのネットワークに対応し、「iPhoneが同一LAN内に無い場合でもあらゆるネットワークからアクセスができる」(フリービット)。
Webサーバとしては、「public_html」フォルダにWebブラウザ/WebDAVクライアントからファイルを入れ、WebサーバオプションをONにするだけで利用可能。URLの中にあるiPhone名はいつでも変更することができる。
また、WebサーバオプションをOFFにすることで、「iPhoneへのアクセスは、VPNのGateWayサーバにて遮断されるのでセキュリティ的にも安心」(同社)という。
サービスページは、4日午後8時に公開された。
ServersMan@iPhoneのほか、説明会では今後の事業展開などについて、フリービット代表取締役社長の石田宏樹氏から話があった。
石田氏は、経済危機による経営環境の変化を「チャンス」と認識。その上で、今後の事業展開の柱となる人材戦略について、「『あたらしい戦略の教科書』の著者である酒井穣氏を、人事戦略ジェネラルマネージャーとして招くことにした」と発表した。
石田氏は、大規模マネージメントや国際/多拠点オペレーションなど、次期中期経営計画での課題を達成するため、「フリービットを最も人材を成長させる企業にする」と宣言。そのため、「著書の書評を書いたことで縁ができ、GM就任前の現在も頻繁にやり取りをしている」(石田氏)という酒井氏とともに、目標を実現していきたいと述べた。
次期中期経営計画では、中国戦略も強化。また、同社が取り組んでいるユビキタス社会実現に向けたプロジェクト「UbicFrontier!戦略」推進のための事業提携も発表された。
フリービットは、デジタル家電の設計・製造委託を行うエグゼモードの株式を譲り受け、同社と業務・資本提携。
エグゼモードの持つノウハウと、フリービットの持つユビキタスネットワーク技術やソフトウエア設計・製造ノウハウを活用しながら、「新しいユビキタス家電とユビキタス家電のビジネスモデル構築を目指す」(石田氏)と説明した。
石田氏は最後に、次期中期経営計画の名称について、「SiLK VISION 2012.」とすると発表。上記事業のほか、「仮想化技術を使って、軽くて優しい地球に優しいインフラ『Smart Infra』の実現を目指す」と強調。具体的には、インターネット・データ・センターの電力問題や熱問題、スペース問題に取り組んでいく考えを示し、説明会を終えた。