米Netezza、Netezza SpatialゼネラルマネージャのJon Shepherd氏 |
日本ネティーザは2月4日、同社製DWHアプライアンス「Netezza Performance Server」(以下、NPS)専用の地理空間データ向け機能拡張ソフトウェア「Netezza Spatial」を発表した。同製品を導入すると、地理空間データを、一般的なDWH製品に比べて10倍~100倍の性能で処理できるという。
米NetezzaでNetezza Spatialのゼネラルマネージャを務めるJon Shepherd氏は、「地理空間データは利用価値の高いものであるにも関わらず、従来のシステムで活用するには少なからず課題があり、それらが普及の妨げになっていた」と説明する。
具体的には、「クエリー処理に数時間から数日かかることがある」「データ量・範囲の制約と拡張性の問題」「複雑な管理と運用」「専門的な知識やトレーニングが必要」といった問題が挙げられ、特にBI・DWHのような分野では見送られるケースが多かったという。
日本ネティーザ 執行役員 技術本部長 法華津誠氏 |
Netezza Spatialは、こうした課題をNPSを使って解決するソリューションとして投入された。
NPSでは、「Netezza FAST(FPGA Accelerated Streaming Technology) Engines フレームワーク」と呼ばれるFPGA(Field Programmable Gate Array)ベースの独自技術を採用しており、「パーシングとエラー修正」「レコードの可視性制御」「レコードの絞込み」「必要なカラムの抽出」「圧縮データの解凍」などをLSIによるストリーミング処理として行うため、処理が非常に高速という特徴がある。
そのNPSを地理空間データに対応させるためのものがNetezza Spatialであり、同ソフトウェアでは、地理空間情報向けのデータ型と、それを処理するためのSQL関数を提供している。
日本ネティーザ 代表取締役 Douglas Etzel氏 |
また、「業界標準を採用している点も特徴の1つ」(日本ネティーザ 執行役員 技術本部長の法華津誠氏)として挙げられており、導入・利用に際しては特別な技術は必要ないという。
日本ネティーザ 代表取締役のDouglas Etzel氏は、「Netezza Spatialは、"汎用DBを利用したシステムにはない性能の高さ"、"クエリーチューニングや物理設計等が必要ない簡易性"などのNPSのメリットを、地理空間データに対してもたらすソフトウェア」と説明。すでに米国では保険業界などでの導入が進んでおり、自然災害や汚染、犯罪等が発生した際のリスクを把握するアプリケーションなどで活用されている。
なお、Netezza Spatialの出荷時期は2009年4月の予定。価格は要問い合わせとなっている。