NTTデータは2月3日、2009年3月期第3四半期(10-12月)の連結決算を発表、売上高は対前年同期比602億円増の7747億円、経常利益は対前年同期比16億円増の673億円の増収増益を記録した。

売上高については、NTTデータ単体では金融分野向けのアウトソーシングサービスや運用ビジネスの拡大により増収となったほか、連結では連結対象子会社の拡大が増収に大きく寄与したという。

2009年3月期第3四半期(10-12月)の連結決算

2009年3月期の通期予想では、堅調な受注による売上高のアップは期待できるが、原価や販売管理費の増大、また昨今の経済状況の悪化等不透明な部分があるため従来予測を変更せず、売上高は前期比456億円増の1兆1200億円、経常利益は前期比67億円増の1010億円、純利益は前期比236億円増の540億円を予測している。

2009年3月期連結決算の通期の予測

最近の事業環境と今後の見通しについては、景気減速によりIT投資の抑制傾向が強まっており、底堅いニーズが見込めるのは、規制対応等の必須案件に限られるという。 分野別では、公共は中央省庁の情報化予算は微減する一方、安心安全分野、ヘルスケア分野の投資は拡大する見込みで、全体では「横ばい」と予測。

金融分野は、法規制対応に向けた投資は見込まれるものの、業績悪化によりIT投資意欲は冷え込む傾向で、全体では「微減」と予測。

法人分野は、景気減速の影響が製造業のIT投資を中心にすでに現れており、全体として「減」と予測している。

NTTデータ 代表取締役副社長執行役員 榎本隆氏

来期の見通しについて、NTTデータ 代表取締役副社長執行役員 榎本隆氏は、「来期分も順調に受注できているので売上は確保できるが、利益は問題。足下を見て、有り様を判断していく」と述べる。また同氏は市場環境の変化に対応するため、今後2年くらいで、142社ある連結子会社を、年金・給与体系等の見直しを含め、統合などによる再編を進める考えを明らかにした。