日立グループは3日、CO2排出量削減への取り組みを強化し、グループ全体での2010年度削減目標を5%引き上げて、従来の1990年度比7%から12%に設定すると発表した。グループ企業のシナジーの活用により、国内におけるCO2排出量を従来目標の2010年度における1990年度比で約20万tの2削減から同約37万tの削減を目標とする。

特に、グループ全体のCO2排出量の約60%以上を占める高機能材料セグメント(日立化成工業、日立電線、日立金属の事業領域)を中心に燃料転換を重点的に行うことで、削減目標の約4割にあたる14万tのCO2削減し、京都議定書の目標達成に貢献していくという。

同グループは2005年に中期計画「環境ビジョン2015」を策定、グループ各社が提供する製品・サービスを通じた環境負荷の低減および生産活動における環境負荷の低減を軸として活動を推進している。また2007年に策定した長期計画「環境ビジョン2025」では、環境価値創造企業として2025年にグループ各社が提供する製品・サービスを全て環境適合製品にすることを目標に定めている。

2005年度からグループ全体のCO2排出量の60%以上を占める高機能材料セグメントを中心に、グループの重油使用量の78%を占める10事業所が重油使用量の削減計画を立て、グループ企業の省エネ技術やノウハウを活かした燃料転換を推進してきた。2010年度にはグループ企業の燃料における重油使用量を30%にまで削減し、2012年度には重油使用量ゼロを目指す。

さらにグループ全体では、2006年度に創設した「スーパーエコファクトリー・オフィス認定制度」によりエネルギー利用効率を始めとする環境配慮に優れた先進事業所の育成・建設を進めることで、生産 プロセスにおける省エネルギーを牽引していく。

2008年度時点では国内10、海外8事業所を認定しており、2010年度までにグループ内で環境負荷の大きい約300事業所のうち30事業所をスーパーエコファクトリー・オフィスとして認定する計画だ。

2009年度から施行される改正省エネルギー法によりエネルギー管理対象事業所が従来の約3倍にあたる1,000拠点に拡大されるため、現行の環境負荷評価システムと連携させた会社別・業種別エネルギー原単位管理体制を構築するとともに、新規管理対象となる業務部門に適用する共通の管理標準を整備し、オフィス等の業務部門の省エネを推進していくという。