ヤフーと楽天は2日、一般用医薬品のネット販売を含む通信販売の継続を求める署名が30万件を突破したと発表した。2008年9月に公表された厚生労働省の省令案では、医薬品のネット販売を大幅に規制する内容となっている。両社では省令案の見直しを厚労省に求めており、署名数が30万人を突破したことは、見直しを求める上での大きな推進力となりそうだ。
厚生労働省の省令案では、2009年春にも施行が予定されている改正薬事法で定める「第1類」「第2類」「第3類」の医薬品に関し、「第1類」「第2類」の医薬品のネット販売を規制する内容となっている。この規定に従うと、解熱鎮痛剤、風邪薬、胃腸薬、水虫薬、妊娠検査薬、漢方薬などのネット販売・通信販売ができなくなる。
規制色の強いこの省令案に対し、ヤフーでは2008年12月1日、楽天では2008年11月13日から、ネット販売を含む一般医薬品の通信販売の継続を求める署名活動をWeb上で開始。2009年2月2日、両社の累計署名数が30万人を突破した。
両社では、「集まった署名数からも分かるように、一般用医薬品の通信販売は、生活に深く根ざした必要不可欠な手段となっており、一般用医薬品の通信販売が大幅に制限された場合には、国民の健康維持の観点から非常に大きな問題がある」と指摘。
その上で、「省令によって通信販売を拙速に禁止するのではなく、一般用医薬品の安全な販売環境の整備の議論をした上で通信販売継続を前提とした省令が公布されるべき」と主張。
さらに「本件には国民的な議論が必要と考えており、厚生労働大臣直属の検討会が設置される際には、企業の社会的責任の観点から積極的に関与していく」とし、幅広い議論をがなされるべきだと求めている。
省令案の意見募集結果の公表は間近となってきていると思われ、こうした国民の声に厚労省がどう対応するかが注目される。