NTTデータは、都内の自社データセンタにおいて、高電圧直流給電システムの実証実験を1月29日から7月末まで実施する。
同実験は、NTTグループが推進する「直流給電推進の取り組み方針」の一環として実施されるもので、NTTファシリティーズとNTTデータイーエックステクノが開発を進めている高電圧直流給電システムをNTTデータの社内システムの一部に導入することで、データセンタの消費電力を最大20%程度削減することを目指している。また、高電圧直流給電システムの電源の信頼性や省エネ性、安全性の検証も同時に行われる。
高電圧直流給電システムとは、従来商用電源を交流で受電した後、無停電電源装置で2回、IT機器内で1回の合計3回行っていた交流‐直流変換を1回にとどめ、機器に直接直流を供給する電源システム。交流‐直流変換のエネルギー損失を削減できるほか、直流48V方式と比較して給電ケーブルが細くできるため、送電効率が改善できる。なお、高電圧直流給電システムは、対応するIT機器のラインアップが少ないことや、通信用機器分野において高電圧の直流を遮断するデバイスが少ないことなどから普及が進んでいなかったが、今回の実証実験に参画するIT機器メーカー各社とアライアンスを組んで、今後対応機器のラインナップを増やすよう働きかけることも明らかにされた。
同実験に使われる検証機器は、日本電気、日立製作所、富士通、日本ヒューレット・パッカード、EMCジャパン、サン・マイクロシステムズから提供される。実験結果は各社で共有され、今後の高電圧対応機器の開発の促進に使われる予定だ。