米ブレード・ネットワーク・テクノロジーズ社(以下、BLADE社)は、10ギガビットイーサネット(10GE)スイッチ「RackSwitchシリーズ」の新製品「RackSwitch G8124」ともに、ネットワールドと日本国内におけるディストリビューター契約(販売代理店契約)を締結したことを発表した。
BLADE社によれば、今回の契約は、国内のディストリビューターとしては、最初のものとなるという。
BLADE社は、Rackonomics(ラッコノミクス)という技術を用いたトップ・オブ・ラック搭載型スイッチ製品を販売している。Rackonomicsは、ラックレベルでのプロビジョニング手法で、ラック単位の増設が簡単にでき、増設時の複雑さを低減し、コストを下げる効果があるという。また、エアー設計もブレードサーバと同様に行えるため、エネルギー効率も向上するという。
そのほかBLADE社は、仮想化環境におけるVMの移動に合わせ、自動的にネットワーク設定を変更する仮想化ソフトウェア「VMready」も提供しており、このソフトは、VMwareのVMotionのほか、XenのXenMotion、マイクロソフトのHyper-V Live Migrationにも対応しているという。
ネットワールドでは、最近市場ニーズが高まりつつある仮想化サーバとストレージの接続環境に対する1つのソリューションとして「RackSwitchシリーズ」を利用するほか、他社製品に比べ消費電力が少ないメリットを活かし、グリーンITソリューションとしても販売、今後3年間で15億円の販売目標を掲げる。
ネットワールド 専務取締役 マーケティング本部長の森田晶一氏は、「最近の経済状況は厳しいが、仮想化環境におけるネットワークの再構築には高いニーズがある。ネットワールドは、VMwareにおいては日本で最大のディストリビューターであるとともに、シトリックスさんやマイクロソフトとさんとも長いつきあいがある。いままで、10Gbイーサのネットワーク環境には少し物足りない面があると思っていたが、今回のBLADE社との契約により、ユーザーにITインフラを見直す、フレキシブルな環境を提供できる」と語り、今後の販売については、ネットワールドのVMwareのパートナー300社のうち、当面は、主要な100社程度に販売していきたい考えを表明した。
一方BLADE社は、今回のネットワールド社との代理店契約により、データセンターにおける10Gbイーサネットの普及を図りたい考えだ。
ブレード・ネットワーク・テクノロジーズ アジア太平洋地域担当副社長 ピーター・ホール氏は、データセンターに10Gbイーサ-ネットが普及してこなかった原因として、価格の高さと10Gが必要な用途やアプリケーションが存在しなかった点を挙げたが、10Gbイーサネットの価格は、1Gbイーサネットの4倍程度まで下がってきており、BLADE社の2008年度の10Gbイーサネットの売上げも前年の4倍に拡大。2009年が本格普及の年になるとの期待を寄せた。また、同氏は10Bbイーサネットの促進要因として、VM、ネットワークストレージ、ブレードサーバを挙げた。
なお、今回発表した、新製品「RackSwitch G8124」は、ラックレベルのネットワーク仮想化に対応した10ギGbイーサネットスイッチで、24ポートの10ギガ・ビットSFP+インタフェースを搭載している。出荷開始は、2月10日で、価格は、274万9,000円(税抜)からとなっている。