Chromium - News and developments from the open source browser project

Google Chromeがほかの主要なウェブブラウザと明確に異なる点のひとつとして、アップデートが強制的に実施される点をあげられる。背後でアップデートが自動的に実施され、アップデート後に再起動すると気がつかないうちに最新版に更新される仕組みになっている。ほかのブラウザがバージョンアップの催促にやっきになっているのに比べ、細かいアップデートを自動的に繰り返すChromeの戦略は興味深い。

Google, Software Engineer, Rahul Kuchhal氏がChromium Blog, Google Chrome Installation and UpdatesにおいてChromeのインストール、アップデート、アンインストールの処理内容をまとめている。まずGoogleはインストーラについて模索している段階で、次のような目標を掲げたという。

  • セキュリティアップデートのチェックをユーザが実施するという面倒な作業の廃止
  • 管理者権限がなくてもインストール可能 (Windows Vistaを意識している)
  • Chromeが動作している最中であっても背後で自動的にアップデート実施
  • インストーラのUIを可能な限り少なく
  • アップデートの内容も可能な限り小さく
  • Chromeをインストールすることでシステムに加えた変更はアンインストールですべて元に戻る

こうした目標を実現するためにChromeインストーラが開発されたという。インストール、アップデート、アンインストールにおける特徴的な動作も簡単に説明されている。要約すると次のとおり。

  • インストール - Program FilesではなくユーザプロファイルフォルダにChromeをインストールする。これは管理者権限がなくてもインストールできるようにするため。Vistaのセキュリティプロンプトも表示されない。ただしVistaの動作により、デフォルトブラウザに設定する段階ではパスワードが必要
  • アップデート - Google Talk、Gears、Google Earth Pluginですでに採用されているGoogle Updateを使ってアップデートを実施する。背後で自動的に処理をおこない、ダイアログが表示されることはない。Google Updateは複数のGoogleプログラムに対してひとつだけインストールされる
  • アンインストール - アンインストールでシステムに加えた変更は2つの例外を除いてすべて戻される。例外のひとつはユーザのプロファイル情報であり、これは削除されない。もうひとつはデフォルトブラウザの設定で、これはWindowsがデフォルトブラウザを差し戻したりどのブラウザがデフォルトブラウザに指定されているかを知る方法がないからだと説明されている。デフォルトブラウザを設定するには、Chromeのアンインストール後に設定したいブラウザからデフォルトブラウザへの設定を実施すればいい

Chromeのユーザプロファイルを削除する方法はInstall Google Chrome: Uninstallで紹介されており、この方法を使えばデフォルトブラウザが変更される以外は、基本的にアンインストールでシステムは元に戻ることになる。