青森県警、岩手県警、北海道警の合同捜査本部は15日までに、権利者に無断で複製したビジネスソフトを販売したとして、大阪府守口市の無職男Aら3人を著作権法違反の疑いで逮捕した。コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)が発表した。Aは、海賊版販売サイト「ジャパネットおかま」運営者(2008年6月に逮捕)から、海賊版販売のノウハウを得ていたという。
逮捕されたのは、大阪府守口市の37歳の無職男A、和歌山県和歌山市の28歳の無職男B、大阪府東大阪市の34歳の派遣社員男C。
AはBと共謀し、2007年9月12日から同年12月11日までの間、アドビ システムズが著作権を有する「Adobe Premiere Pro 日本語版」、オートデスクが著作権を有する「AutoCAD 2008」を権利者に無断で複製したCD-R2枚を、北海道恵庭市の男性ほか1人に対し、計3,000円で販売した疑い。
調べによると、AとBは、2007年9月ごろから、Yahoo!オークションで正規品の出品を装い、画面上に「廉価版はこちら」と記載した問い合わせフォームを設置。顧客が自分のアドレスを送信すると、海賊版リストが記されたメールが自動返信され、その後はメールのやりとりを通じて海賊版を販売していた。
2007年12月ごろからは、自動送信されるメールの内容を、Aらが開設したWebサイトのURLの記載に変更。顧客は同サイトを通じて海賊版を購入していた。サイトは、2008年1月ごろに閉鎖された。
さらに、AはCと共謀の上、2008年5月26日から同月28日までの間、ジャストシステムが著作権を有する「一太郎2008」、マイクロソフトが著作権を有する「Microsoft Windows Vista Ultimate」を権利者に無断で複製したCD-R2枚を、青森市の女性に対し、計2,800円で販売した疑い。
AとCは、2008年5月ごろから7月ごろまでの間、新たに開設したWebサイトを通じて海賊版を販売。Aのそれまでの顧客に対し、URLを記したメールを送信し、顧客をWebサイトへ誘導していた。またAは、同年10月ごろから逮捕される11月4日までの間にも、新たに開設したWebサイトを通じ、同様の手法で販売を続けていた。
男らは、2007年9月から同年12月までの3カ月間で、少なくとも約2,100万円を売り上げていた可能性があるという。
青森県警、岩手県警、北海道警の捜査員がサイバーパトロールで男らの海賊版販売行為を発見し、ACCSを通じて著作権者に連絡。購入者が全国に及ぶ広域犯罪であること、複数の被疑者による組織的な犯行であることなどから、2008年12月22日付で3警察による合同捜査本部を設置した。
2008年11月4日にAの逮捕に先だって行われたアパートの捜索では、PC2台、移動端末機器3台、販売目的所持の海賊版約200枚、複製用として購入した海賊版ソフト200枚など、約200品目が押収された。
男らは、「生活費のため海賊版販売を行っていた」と供述しているという。
Aは、2008年6月5日に山形県警に逮捕された「ジャパネットおかま」という名称の海賊版販売サイトを運営していた男らの知人。Webサイトを次々に変える方法など、海賊版販売のノウハウや、複製元ソフトの提供などを受けていた。
「ジャパネットおかま」に関連した海賊版販売の刑事摘発は、今回が3件目となる。