マイクロソフトとシマンテックは、SMB向けにHyper-V環境におけるディザスタリカバリ(災害や障害の復旧)の共同技術検証を昨年の10月から行い、その結果をホワイトペーパーで提供すると発表した。ホワイトペーパーは、シマンテックのWebから、ダウンロードできる。
Hyper-V環境のディザスタリカバリの共同検証について説明する、シマンテック システムエンジニアリング本部 パートナーSE部 システムエンジニア 伊吹山正郁氏 |
ディザスタリカバリに用いるのは、シマンテックのバックアップソフト「Symantec Backup Exec 12.5 for Windows Servers」。シマンテックでは、昨年の12月にHyper-Vの環境向けに、「Microsoft Virtual Serversエージェント」をリリース。両社の共同検証では、このエージェントなどを用い、1台の物理サーバ上にWebサーバ、ファイルサーバ、プリントサーバの3台の仮想マシンを構成。これらを遠隔地のセカンダリサイトに復旧するという想定で行ったという。
Microsoft Virtual Serversエージェントには、Granular Recovery Technology(GRT)が搭載され、vhdファイルから、ファイルやフォルダ単位のリストアが可能だという。
マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 コア インフラストラクチャ製品部 マネージャ 藤本浩司氏 |
マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 コア インフラストラクチャ製品部 マネージャの藤本浩司氏は「Backup ExecはHyper-Vにおけるバックアップのデファクトスタンダードとなっており、ユーザーからも使い方や活用に関する問い合わせが多い。それに応える意味で、昨年の秋からシマンテックさんと一緒に、ホワイトペーパーの作成や検証作業を行ってきた」と、今回の共同検証の目的を説明した。
ホワイトペーパーには、バックアップの必要性、インストール、初期設定、バックアップ手順、復旧手順などが記載されている。
そして、シマンテックでは、Hyper-V環境保護のベストプラクティスとして、以下の3つの方法を提案。それぞれのメリット、デメリットを説明した。
1.Microsoft Virtual Serversエージェントを用いたバックアップ
これは、Microsoft Virtual ServersエージェントをHyper-Vを構成するWindows Server 2008にインストールする方法。この方法だと、1つのライセンスでそのサーバ上のすべて仮想OSがバックアップでき、ファイルやフォルダ単位のリストアも可能となる。
2.Hyper-Vの各仮想マシンにアプリ別のエージェントをインストールしてバックアップ
各仮想マシンにSQL Server、Exchange Serverなどの、アプリケーション別のエージェントをインストールする方法。この方法だと、Exchangeであればメールごとなど、そのアプリのデータ単位でのリストアが可能となる。ただし、vhdファイルなど、システム全体のバックアップは別途必要になる。
3.ペアレントOSにBackup Execをインストールし、仮想マシンを停止してバックアップ
ペアレントOSにBackup Execをインストールし、バックアップする際は、仮想マシンを停止してから行う方法。この方法だと、ライセンスが安く済み、コストメリットは大きいが、システムを停止する必要があるので、一部の仮想マシンに限定される。
なお、Backup Exec 12.5の価格は以下の通り。
ボックス製品 基本ライセンス、エージェント |
価格(税抜) |
---|---|
Backup Exec for Windows Servers | 15万4,200円 |
Microsoft Virtual Servers エージェント | 38万6,700円 |
Microsoft Exchange Server エージェント | 15万4,200円 |
Microsoft SQL Server エージェント | 15万4,200円 |
Microsoft SharePoint Server エージェント | 15万4,200円 |
Microsoft Active Directory エージェント | 15万4,200円 |
Windows システム エージェント | 9万2,200円 |